遅い車を速く走らせるには?

 

S15シルビア

 

シルビアをMT化してからというもの、私は走ることに夢中になっていた。時間があれば本や雑誌、YouTubeでドラテクを学ぶ日々が続いた。それからというもの、私は徐々に街中での走りに慣れてきて、もう少し元気に走り回ってみたくなった。

 

そうして、自然と近くの峠に走りに行くことが多くなっていった。街中を走っているだけではわからなかったことが峠を走っている内に明らかになったきたのである。さらに他の車と走ることで自分の車が相対的に速いのか遅いのかを知ることができた。

 

そこで今回は、峠を走っている内に気付いた「自分の車は遅い」という事実にどう立ち向かっていったのかを記事にしてみることにする。
さあ、ドラテクを磨こう! 

 

グランツーリスモと全然違う!

 

出典:グランツーリスモ

 

シミュレーション通りにはいかない

私は小さい頃から車が好きで、運転免許を取るずっと前から「グランツーリスモ」に慣れ親しんできた。グランツーリスモ内ではレースに出るために「ライセンス」を取らなければならない。

 

ライセンスを取るにはライン取りやブレーキのタイミング、ハンドル操作やアクセル操作など基本的な操作をマスターしなければ合格することはできない。グランツーリスモのライセンスは上から2番目ぐらいまで取ることが出来ていたので、ある程度ドラテクには自信があった。

 

「峠だから2速、3速ぐらいで走ればちょうどいいはず。」

 

グランツーリスモをやってきた勘でそう判断した。適当に2速に入れ、グランツーリスモのように40km/hぐらいでコーナーを攻めてみた。グランツーリスモ内では40km/hぐらいでコーナーを曲がるとあまりにも遅いと感じるが、実車で走ってみるとやたらと速く感じる。

 

ゲームでは感じることのできないGが原因であることはすぐにわかった。40km/hぐらいでコーナーを曲がると、今まで感じたことの無いような遠心力が体を外に押し付ける。コーナーを曲がる度に感じるGがなんだか新鮮だった。

 

「ゲームと実車は結構違うんだな」
それが峠を走ってみて私が最初に感じたことである。

 

コーナーによって走り方が違うのか!

 

出典:コーナリング

 

コーナーによって走り方が違う

しばらく夢中で走っていると段々とあることに気付いてきた。それは、「コーナーによって走り方が違う」ということである。最初はどれも同じコーナーに感じていたが、しばらく走っているとコーナーにはゆるいコーナーときついコーナーの2種類あることに気付いた。

 

一般的にゆるいコーナーを「高速コーナー」、きついコーナーを「ヘアピンコーナー」と呼ぶが、ヘアピンではしっかりブレーキを掛けないと曲がれないが、高速コーナーではちょっとブレーキを掛けるだけで十分曲がれた。それに、ヘアピンでは3速から2速に落とさないといけないが、高速コーナーでは3速のままクリアできることも段々わかってきた。

 

そうなってくるともう面白くてしょうがない。こうするとどうなるのか、次はこんな風に曲がってみようなどと試行錯誤するのがめちゃめちゃ愉しかったなあと今でも思い出す。

 

シルビア(スペックS)は遅いらしい

 

出典:スカイラインGT-R

 

速さの違いを見せつけられた

私が乗っていたシルビアはS15のスペックSでNAであった。私が通った教習所では古いタクシーのような車が教習車であり、それに比べたらシルビアは十分速かった。しかしそれは古いタクシーと比べての話である。当時、友人がR32のGT-Rに乗っていたので運転させてもらったが、あまりの速さにぶったまげた。

 

ブーストアップ仕様で380馬力ぐらいだったらしいが、私には速すぎた。32でスタートダッシュを決めると、体はシートに押さえつけられ、道路が狭く見えた。映画ワイルドスピードで見たあの景色と全く同じだったので、本当に速いとこうなるのかと感心した。

 

それと同時に、32から自分のシルビアに乗って絶望した。32に比べるとシルビアはエンジンが止まっているんじゃないかと疑いたくなるほどに遅かった。32と違ってシートに押さえつけられることもないし、道路が狭く見えることもなかった。

 

32はブーストアップ仕様の380馬力だが、シルビアはAT改MTの160馬力なので単純計算で2.5倍近いパワー差がある。シルビアが遅く感じるのも無理はないだろう。

 

ドラテクでその差を埋めてやる!

32に乗ってからというもの、シルビアが途端に色褪せて見えてしまったのは事実である。当時は今と違ってスポーツカーは軒並み底値だったため、大学生だった私でもバイトなどで頑張ってお金を貯めれば速いスポーツカーに乗り換えることも不可能ではなかった。

 

でもそれはなんだか違う気がした。私はなかなかに負けず嫌いなので、車が遅いから速く走れないという考えを覆したいと思った。頭文字Dで主人公である藤原拓海が乗っているAE86は決して速い車ではない。

 

だが藤原拓海は速いスポーツカー相手にあの遅い86で向かっていくのである。ドラテクさえあれば遅い車でも速い車に勝てるというのがなんとも爽快でついついアニメに見入ってしまう。私もそうなりたいと思った。

 

32にあってシルビアにないもの

エンジンパワーが圧倒的に不足している。パワーのある車は少々ミスしたところでアクセルを踏めば簡単にスピードが出るので、あまりミスが目立たない。それに対してシルビアはわずか160馬力のアンダーパワーのため、ワンミスが命とりになってしまう。スピードを必要以上に落としてしまうと再び加速するまでが大変なのである。

 

そのため、極力スピードを殺さない走りが必要になってくる。NAでもVTECのように速いNAならいいのだが、日産のNAは正直言って速くない。レッドゾーンまで回しても速くないのだ。

 

エンジンパワーには頼れないので、ブレーキングと旋回スピードで勝負するしかない。とは言ってもシルビアは特別コーナリングマシンと呼ばれるほどでもないため、旋回スピードでは勝負にならない。

 

では何が残るか、そう、ブレーキングである。

 

ブレーキが一番難しい

 

出典:土屋圭一

 

プロとアマの差はブレーキングにあり?

車の運転で一番難しいのは「ブレーキ」である。そんなようなことを頭文字Dの誰かが言っていたかもしれないが、とにかくブレーキは難しい。

 

ブレーキを踏むタイミング、ブレーキを掛ける強さ、一定の減速G、ブレーキのリリースの仕方、などなどブレーキは本当に奥が深い。プロとアマチュアの差は「ブレーキング」にあると私は思う。

 

つまり、32などの速い車が相手でも、私がプロ級のブレーキングを身に付ければ十分勝負になると私は考えた。一言で言うと「突っ込み勝負」だ。

 

アマチュアドライバーのブレーキングの傾向
ブレーキを踏むタイミングが早い

アマチュアドライバーは恐怖のためか、ブレーキを踏むタイミングが早く、かなり手前から弱いブレーキを掛ける人がほとんどである。ここに付け入る隙がある。限界ギリギリで強いブレーキを掛けるスキルがあれば一気にブレーキで詰めることができる。

 

ブレーキが弱い

やはりアマチュアドライバーは強くブレーキを掛けることを躊躇してしまう。強くブレーキを掛けることで車のコントロールを失うことを恐れているらしい。だが、プロはタイヤがロックするギリギリの強さのブレーキを何のためらいもなく掛けることができる。それが速さの源なのは間違いない。

 

減速Gを一定にできない

ブレーキを掛ける際は減速Gを一定にすることが基本的な原則である。下手なドライバーは赤信号で止まるとき、最初は弱くブレーキを掛けて、停止線が近づいてくるとブレーキを強く掛けるということをしがちである。本来は停止線でぴったり止まれるようなブレーキを最初から最後まで一定で掛けることが望ましい。

 

慣れればなんてことはないが、モノにするまでが難しい。減速Gが一定でないと、ブレーキングの最中に荷重が前や後ろに移動してしまい、余計な挙動の乱れを引き起こしてしまう。やはり、ブレーキングによる減速Gは一定に限る。

 

ブレーキのリリースの仕方が雑

アマチュアドライバーに多いのが、ブレーキの踏み方がまるでスイッチのようにON・OFFしかないパターンである。ブレーキによって荷重が前に移動し、今度は曲がるためにブレーキを緩めていかなくては曲がれない。そのときにON・OFFのブレーキ操作でブレーキをリリースしてしまうと、せっかく前に移動していた荷重が一気に後ろに移動してしまう。これではうまく曲がれないし、挙動を乱すため危険である。

 

ブレーキには付け入る隙がいっぱい

 

出典:シビックタイプR(FD2)

 

ブレーキングテクニックを身に付ければ、格上の車と勝負できる!

乗っている車が速ければ速いほど、ブレーキの重要性を理解している人間は減る。つまり、ブレーキのトレーニングをしていないため、へなちょこブレーキの人が多い。経験上、乗っている車が遅いほどブレーキに関わらずドラテク全般のレベルが高い人が多い気がする。

 

実際の私の体験談で、ロータリーの高橋兄弟の本拠地で走り屋チームの先頭を走っているシビックタイプRのFD2と上りで走ったときの話がある。シビックタイプRは2LVTECで225馬力、対するシルビアは160馬力です。シビックタイプRが先頭で走ったが、やはり直線はかなり速くてちょっとした直線でも結構な距離が開いてしまうほどであった。

 

しかし、私がブレーキングテクニックを身に付けた方法によってブレーキングテクニックを身に付けていた私は、コーナーの入り口のブレーキング一発で一気に差を縮め、旋回中はバックミラーに映らないほどベタ付けし、ヘアピンでも高速コーナーでもブレーキング一発で直線でのパワーの差を一気に詰めることができた。

 

上りきった後シビックタイプRの人と話をしたが、興奮気味に、
「今までブレーキングであんなに詰められたことはないし、コーナーのブレーキングの度に一気に差が縮まってきて不気味だった。どんなブレーキングをしているのか助手席に乗せて見せて欲しい。」

 

と言っていた。基本的に上りではパワーがあればあるほど速いため、まさかシルビアのNAにコーナーで追い掛け回されるとは夢にも思わなかったのであろう。

 

最後にシビックタイプRの人はこう言っていた。
「シルビアのNAって意外と速いんですね」

 

遅い車でもブレーキングを磨けば、速い車に有利な条件だったとしても十分戦えるということが、私の実体験から理解してもらえたと思う。やはりドラテク磨きは愉しい。
さあ、ドラテクを磨こう! 

 


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