なぜプリウスは燃費が良いのか

プリウスはトヨタの車で、ハイブリッドカーの時代を切り拓いてきた代表的な車である。ハイブリッドカーに求められてきたのは何と言っても「燃費の良さ」だろう。今回は空力の面からプリウスの燃費の良さについて考えていきたいと思う。

 

流線形のボディ形状

 

出典:トヨタプリウスPHV

 

この画像はプリウスPHVを真横から見たものである。
この画像を見て何か思うことはないだろうか?私が感じたのは「とにかく滑らか」ということである。

 

流線形に近いボディ

上の画像を見れば一目瞭然だが、プリウスのボディ上部は流線形のように滑らかな形状をしている。
特筆すべきポイントは「ルーフからボディ後端までの滑らかさ」であろう。一般的なセダンはルーフからトランクにかけてのリアガラスの勾配がきつく、極端に言うと階段のような段差がある車が多い。

 

出典:ランエボ(みんカラより)

 

スポーツセダンで有名なランエボはルーフからトランクまでのリアガラスの勾配が特にきつい車種である。プリウスとランエボを比べてみると違いは明らかであろう。元々ランエボはラリーカーとして進化してきた車であり、車速はそれほど高くないため空力はあまり重要視していないのかもしれない。だが、高速走行での燃費では空力が絶大な効果を示す。ランエボのようにきつい勾配の場合、車体に沿ってルーフまで流れてきた空気がきつい勾配に追従できず、車体から剥離してしまう。車体から剥離してしまった空気は渦を巻き、車体を後ろに引っ張る「ブレーキ」として働いてしまう。渦を巻いた空気の流速は著しく落ちるため、この画像のランエボが装着しているGTウイングの効果は低いといえる。空気は滑らかに流さないとだめなのである。

 

空気抵抗の少ないフロントフェイス

プリウスのフロントフェイスは前から来る空気に対して壁のようにぶち当たらないようになっている。

 

出典:ブルーリボンハイブリッド

 

これはバスを真横から見たものである。バスはみなさんご存知のように長方形のティッシュの箱のような形をしている。バスはたくさんの人を運ぶために居住空間を広くとった結果、ティッシュの箱のような形をしている。ハイエースやキャラバンも同様の形状をしている。

 

バスのような四角い形状は空力的には相当マズイ形状である。なぜなら壁のように立ちはだかるフロントフェイスは空気抵抗がかなり大きいのである。前方投影面積の大きさは燃費に直結するパラメータであり、前方投影面積は小さい方が空気抵抗が少なく燃費は良くなる。

 

 

出典:プリウス

 

また、のっぺりとしていて大きな凹凸がない点も優秀である。空気を通さないがデザイン的に存在するダクト風のダミーはたちが悪い。空気は入り口だけでなく、出口がないとスムーズに流れてくれないのである。ダミーのダクト風デザインは空気抵抗を大きくするだけで空力的にはマイナスである。特に左側のプリウスはのっぺりしていて余計な凹凸もなく空力的には優れたデザインであるが、私個人の感覚では全くかっこいいとは思わないが。(笑)

 

尻上がりのリア

プリウスのリア形状も特徴的である。またまたランエボを比較に出して申し訳ないが、ランエボは包丁で切り落としたかのようなリア形状をしている。基本的に市販されている車は全て車体後方が「負圧」になっており、車体後方にスムーズに空気を流すことは、高速走行での燃費に多大な影響を及ぼす。

 

その点プリウスは異様なくらいリア下部が車体後方に伸びているのがわかるだろう。しかも尻上がりに。この形状は車体後方の「負圧」を少しでも無くすためのボディデザインだと言える。車体後方の「負圧」が最も小さいのは紛れもなく流線形である。なぜ流線形が負圧の少ない形状であるかと言うと、流線形は流れてきた空気が最後にスムーズに合流するからである。流線形の上と下を流れる空気は流線形の末端で再び合流するのである。

 

空気の流れを「流線形」にすればよい

流線形が優れているポイントは「上と下を流れる空気が末端で合流すること」によって空気抵抗が最も少ないということである。つまり、流れる空気が流線形に近づけばそれだけ空気抵抗が小さくなるというわけだ。そういう目で見てみると、プリウスの車体後部はまさに「流線形」のように空気が流れそうな形状をしていることがわかるだろう。

 

まとめ

今回はプリウスの空力部分のみに着目して、燃費を稼ぐポイントを盗んでみた。ポイントは「流れる空気を流線形にする」ということである。ぜひあなたの愛車の空力チューンに役立てて頂きたい。

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