向きや位置によっては効果が出ないボルテックスジェネレーター、実際に燃費向上に意味がなかった場所とは?

 

出典:航空機

 

航空機やF1など今や様々な分野で活用されている「ボルテックスジェネレーター」。ただ貼り付ければ効果が出るというような単純なものではなく、実際は求める効果によってボルテックスジェネレーターの設置場所を最適化しなくてはならない。今回は、私が実際にワゴンRにボルテックスジェネレーターを50個以上付けてきた中で、燃費向上効果が得られなかった箇所について話してみようと思う。

 

トヨタではボルテックスジェネレーターによる空力チューンは「当たり前」

 

出典:トヨタVOXY

 

他にもプリウス、アクア、ハリアー、86などに純正採用

トヨタではボルテックスジェネレーターによる空力チューンは既に「当たり前」な存在になっている。私みたいな空力に興味のある人間がみればすぐに見つけられるが、そうでない人は言われて初めてボルテックスジェネレーターの存在に気付くのかもしれない。トヨタではボルテックスジェネレーターを「エアロスタビライジングフィン」と呼んでいるが、原理や仕組みは全く同じである。ただ、呼び方を変えただけである。

 

ハイブリッドシステムでは頭打ちの燃費を上げる「秘密兵器」

すでにエンジンなどの内燃機関の効率化によって燃費を稼ぐことは難しくなってきているのが現状である。事実、ハイブリッドカーのカタログ燃費は30km/L台で頭打ちになっている。そこで更なる燃費向上を模索した結果、行き着いたのが「空力」による燃費向上というわけである。

 

最も体感しやすい「空力チューン」

 

軽く50個以上ボルテックスジェネレーターを装着してきたワゴンR

 

ボルテックスジェネレーターは確かな燃費向上効果がある空力チューン

実際に私のワゴンRには軽く50を超える数のボルテックスジェネレーターが付いている。そしてそのほとんどは車体後方に集中しているのが上の写真からわかって頂けると思う。上の写真はボルテックスジェネレーターによるいわば「力業」で最高燃費35.3km/Lを叩き出したときの状態である。34.9km/Lからなんとかして35km/Lの大台に乗せたくて強引に数の力で押し切ったのである。だが、車体横に張り巡らせたボルテックスジェネレーターの効果については懐疑的なものを感じていたのも事実である。

 

もしかしてテールランプの上下の位置は意味がない?

 

ホールソーで純正リアバンパーを穴開け加工

 

穴開きリアバンパーの機能を邪魔するな!

私のワゴンRの空力チューンの生命線は、なんといっても「穴開きリアバンパー」である。この穴から車体後ろの負圧領域に空気を送り込むことによって、車体前後の圧力差を減らすのが穴開きリアバンパーの仕事である。実際に自作のリアスパッツを装着したときもそうだったが、穴開きリアバンパーに空気が送られなくなると嘘みたいに空気抵抗が増加し、燃費というデータにしっかり反映される。リアのマッドフラップを外した際も極端に抵抗感が増し、燃費も猛烈に下がったのである。つまり穴開きリアバンパーが機能しなくなると、私のワゴンRは空力バランスを崩してしまうのである。

 

あえて車体横の空気を負圧領域に送り込まなくてもいいのではないか?

車体横にボルテックスジェネレーターを張り巡らせることによって、車体横の空気は車体から剥離せずに空気抵抗となる剥離渦の発生を抑えることができる。ただそれによって車体後ろの負圧は弱まり、結果的に穴開きリアバンパーの機能低下を招くかもしれないのである。穴開きリアバンパーから空気が送り込まれる機能が低下すると車体下を流れる空気の流速も落ちてしまう。その結果、車体前方の圧力が高まってしまえば圧力抗力を減らすことはできなくなってしまう。つまり、ボルテックスジェネレーターの数を減らしてあえて穴開きリアバンパーの効果を引き出す方が結果的に少ないボルテックスジェネレーターで最大限の空気抵抗低減効果が得られるのではないかという私の仮説である。これはこれまで以上にコスパの良い燃費チューンとなるかもしれない。

 

片側5個ずつ取り外してみて、燃費に影響を及ぼすか検証してみた

 

テールランプの上下の位置のボルテックスジェネレーターを取り外した様子

 

予想通り、燃費は変化しなかった

結果としてはボルテックスジェネレーターを片側5個ずつの計10個も取り外したのだが、燃費への影響はなかった。これはより少ないボルテックスジェネレーターで最大の空力効果を引き出しすことに成功したということである。片側5個もボルテックスジェネレーターを外すことでリアビューもスッキリしている。この結果から言えることは、穴開きリアバンパーやボルテックスジェネレーター付ルーフスポイラーなどが空力的に重要な役割を果たしている場合は、車体横のボルテックスジェネレーターの設置は車体横の中間あたりに2〜4個ぐらいで十分であるということである。これが穴開きリアバンパーやルーフスポイラーなどが無い場合、車体横のボルテックスジェネレーターの数を増やすことで燃費に良い結果があるのかもしれない。

 

走行フィーリングは若干変化

車体横のボルテックスジェネレーターを計10個も外したことによる走行フィーリングの変化も若干体感することができた。それは車体の横揺れである。車体横にボルテックスジェネレーターを張り巡らせていた時は大型トレーラーなどが横を爆走しても左右に揺すられることはあまりなかったが、計10個も外してしまってからは左右に揺すられやすくなってしまったのも事実である。正直それ以外のときにボルテックスジェネレーターを取り外したことによるデメリットを体感することはなかった。この事実を踏まえてあなたは自分の車のどこにボルテックスジェネレーターを装着するか考えて欲しい。

 

 

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