ソリッドとベンチレーテッドの違い

 

違いは摺動部の形状にあり

 

出典:ベンチレーテッドローター(左)とソリッドローター(右)の違い

 

ソリッドローターとベンチレーテッドローターの違い、正しく理解してますか?
ビッグローター化を進めるにあたって、ソリッドとベンチレーテッドの違いについて知っておく必要があります、

 

ソリッドとベンチレーテッド、一番の違いは摺動部の形状です。
一般的に、ローターとパッドが摩擦する部分のことを摺動部、もしくは摺動面と言います。

 

ソリッドローターは、固体のもの、硬質なものという意味を持っており、オリンピックの円盤投げに使われるあの円盤にそっくりの見た目をしています。普通車のリアや軽自動車のフロント等、熱容量が小さくても問題ないような場合に使用されています。

 

ソリッドの長所は軽さ、短所は熱容量の少なさと、放熱性の悪さ

 

出典:Biot

メリットは何といっても軽さ

摺動部が1枚しかないため圧倒的に軽く、ばね下重量の低減によって運動性能向上に貢献します。燃費向上にも一役買っています。

 

ですが、その最大の長所は使用用途によっては、大きな欠点にもなります。街乗りで使用する分には全く問題ないのですが、スポーツ走行の場面では軽さという長所が仇になります。

 

長所である軽さは、熱容量が少ないことの裏返しです。
ソリッドローターは熱容量が少ないためにローター温度があっという間に超高温になります。

 

例をあげると、サーキット走行などでブレーキ負荷が高い場面では、S2000はリアがソリッドのため、なんとフロントよりも高温になります。通常、フロントの方がブレーキ負荷が大きいために、リアより高温になるのが自然ですがS2000はリアの方が50〜100℃高くなります。

 

そのため、リアのパッドが高温に耐えきれず異常摩耗し、リアブレーキ周辺のハブやドライブシャフト、デフなどが熱害によって壊れ、S2000のアキレス腱と言われています。

 

ソリッドの弱点を克服したベンチレーテッド

 

出典:ベンチレーテッドローター

 

熱に強いローターを、ということで登場したのがベンチレーテッドローターです。
ベンチレーテッドローターは、その名の通り、ベンチレーテッド(換気された)ローターという意味で、摺動部に空気が通る換気用の窓を設けたような構造をしています。

 

ベンチレーテッドローターの設計思想は、ローターの重量を増やすことで熱容量を稼ごうというものではなく、極力重量を増やすことなく、空気を通すことで放熱性を上げる(ローター温度を下げる)という画期的なアイディアによるものなんですよね。

 

『ソリッドローターを厚く大きくすることで熱容量を上げることはできるが、それではばね下重量が重くなってしまい、運動性能が落ちてしまう。相反する軽さと熱容量、なんとか両立する方法はないか?
 
プロジェクトXに出てくるような、ものづくりに対する熱いドラマがあったんだろうなと勝手な想像が膨らみます。そんな先人達の偉業があり、現在のスポーツカー/スーパーカーは前後4輪ベンチレーテッドローターが使われています。


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