空気抵抗を減らすためにやるべきこと

空気抵抗を減らすためにやることは「圧力抗力」を減らすことと同じであるということは前回話した。まだご覧になっていない方は空気抵抗の正体とは?を見ていただきたい。

 

圧力抗力を減らす、と言っても何をどうすればいいかわからないと思うので、空気抵抗に関わってくる「3つの要因」について話を進めていく。

 

空気抵抗に大きく影響する3つの要因とは

空気抵抗に大きく影響する3つの要素は@CD値、A前方投影面積、B速度である。空気密度は季節により異なるのでここでは一定のものと考える。空気抵抗を求める式は以下のように決まっている。

 

空気抵抗=CD値×前方投影面積×(速度×速度)×空気密度×1/2

 

この式に出てくる@CD値、A前方投影面積、B速度について考えていく。

 

@CD値は車体のボディ形状で決まる

 

出典:トヨタ

 

CD値が小さいほど空気抵抗は小さくなる

CD値は車の形によってある程度決まってしまうものであり、元祖エコカーのプリウスは0.3を切るほどCD値が低いが、SUVの代表選手であるランクルは0.4〜0.5程度と高い値を示している。誰でも空気抵抗が大きそうだとわかるトラックはコンテナ付きで約0.7、コンテナ無しだと約0.9という値を示している。

 

CD値は車体形状によって決まってしまう

CD値は後から大きく手を加えることができない領域の話であることがわかる。例えばあなたがランクルを買ったとして、燃費が悪いからプリウスと同じ形に改造してくれと言ってもそれは現実的な話ではない。同様にプリウスの燃費を更に良くするために、車体を流線形にするということも全く同じである。あくまで人が乗る乗り物である以上、CD値を後から大きく変えることは現実的に不可能なのである。

 

A前方投影面積は車体のボディサイズで決まる

 

出典:ハマーとエリーゼ(みんカラ)

 

前方投影面積が小さいほど空気抵抗は小さくなる

前方投影面積とは簡単に言うと、前から見た時の車体の大きさである。上の画像を見るとよくわかると思う。青い車と黄色い車では、遥かに黄色い車の方がデカい。ぱっと見で青い車の3倍くらい黄色い車の方が前方投影面積が大きいといえる。つまり、青い車の方が黄色い車よりも3倍くらい空気抵抗が小さいといえる。

 

前方投影面積の大きさも車体形状によって既に決まっている

CD値と同じように前方投影面積の大きさも後から変えることは現実的に不可能である。黄色い車を青い車と同じ前方投影面積にするには、ぶった切る以外の選択肢はない。だがぶった切ったところで黄色い車は鉄クズになるだけであり、全く意味がない。つまり、前方投影面積の大きさは生まれ持った体格ということで後からサイズを変えることは現実的に不可能なのである。

 

Bスピードを出すかどうかはあなた次第

 

出典:スピードメーター

 

スピードを出さなければ空気抵抗は小さくできる

スピードは空気抵抗に与える影響がかなり大きい。例えば50km/hと倍のスピードの100km/hで走っているときでは空気抵抗は4倍も変わってくる。あなたもわかると思うが、高いスピードを維持するにはアクセルをたくさん踏まなければならない。つまりたくさんのエネルギーが必要であるということである。これがスピードを落とすと楽に巡航できる。私は速度の2乗に比例して空気抵抗が小さくなるのを知っているため、70km/h前後で高速を巡航している。

 

スピードを落とす以外にも空気抵抗を低減する手段はある

 

出典:エアバッグ作動

 

空気抵抗はスピード以外でもコントロールできる

ここまで読んできたあなたは、「なんだ、スピードを落とすしか手段がないのかよ、それじゃ他の人と言ってることが同じじゃねぇか!」と思ったに違いない。だが手段はスピードを落とすだけではない。実際私は様々な工夫を凝らしてワゴンRの燃費を空力チューンのみでカタログ燃費の150%まで引き上げた。実燃費では約30%空力チューンのみで改善している。それではその極意を教えることとする。

 

大事なのは「空気の流れる形」

 

出典:マグロ

 

空気の流れる形を「流線形」に近づければ良い

私がやってきたこと空力チューンの本質の1つは、空気の流れる形を流線形に近づけるということである。流線形とは上の画像のようにマグロのような形である。ワゴンRは流線形とは程遠い「箱型」の車体であり、CD値も良くない。だが重要なのは車体の周りを流れる空気の形なのである。この空気の流れる形が流線形であれば、車体が箱型だろうと何だろうと空気抵抗を小さくすることができる。これは私が実践してきた空力チューンの結果より明らかである。

 

もう一つは「車体前後の圧力差をなくすこと」

 

出典:パラシュート

 

パラシュートに穴を開ければ良い

私がやってきたこと空力チューンの本質のもう1つは、車体前後の圧力差をなくすことである。簡単に言えばパラシュートに穴を開けることである。パラシュートに穴が開けば一気に急降下することは誰でもわかることである。これはパラシュートの内側と外側に発生していた「圧力差」が、パラシュートに穴を開けることで一気になくなってしまうことで引き起こされるのである。つまり、これと同じことを私はワゴンRの空力チューンで実践してきただけである。

 

本質を捉えれば結果は付いてくる

 

空力チューンのみで夢の35km/L台に突入!

 

結果は折り紙つき

私がワゴンRの空力チューンで心掛けてきたことはたったの2つだけである。それは「空気の流れる形を流線形に近づけること」、そして「車体前後の圧力差をなくすこと」だけである。この仮説が正しいことはこれまでのワゴンRでの空力チューンの実績が物語っている。実燃費がカタログ燃費の150%に達することがどれほど驚異的なことであるかはあなたが一番知っていることであろう。

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