リアスパッツ改善プロジェクト第4弾!「ボルテックスジェネレーターでリアスパッツ周辺の気流を操れ!」

空力チューン第9弾として「リアスパッツ」による空力チューンを行ったが、結果は「‐2.8km/L」と散々であった。

非常に悔しい結果となってしまった「リアスパッツ」だが、さっそく改善プロジェクトを立ち上げることとした。対策案として浮かんだものを片っ端から試していき、一つずつ検証していきたいと思う。その結果としてリアスパッツ本来のポテンシャルを引き出し、リアスパッツ無しでは到底達成できないような燃費を叩き出すのが目的である。

 

リアスパッツ装着で変わった「空気の流れ」

 

出典:空気の流れのシミュレーション

 

タイヤは別名「渦発生装置」

リアスパッツ装着によってリアタイヤ周りの空力特性は間違いなく変化しているはずだ。なぜそう考えるかというと、高速回転するタイヤはまるで風車のように空気を掻き乱し、巨大な渦を発生させる「渦発生装置」だからだ。上のシミュレーション結果のように、高速走行する車体は車体後方に巨大な渦を引きずりながら進んでいく。どう考えても「抵抗」と言って問題ないだろう。難しい言葉で言うと「抗力」などと呼ぶが、ここではわかりやすさのため抵抗または空気抵抗とする。F1みたく、タイヤが剥き出しの状態だと空力的に考えると最悪の状態だが、普通の車でタイヤが剥き出しになっている車はごく一部の例外を除いて存在しない。ごく一部の車(ケーターハム等)はもはや普通の車とはかけ離れているが。(笑)

 

リアスパッツはリアタイヤ由来の渦発生を抑える

 

出典:ホンダ インサイト

 

リアスパッツの最大の利点がコレ

リアスパッツを装着する最も大きな理由が「リアタイヤ由来の渦発生を抑える」ということである。リアスパッツ装着によってリアタイヤは半分くらい隠れてしまう。その結果として渦発生を抑えられ、車体サイドの気流の乱れを最小限にすることができる優れものなのである。実際に超高速でサーキットを走るルマン24時間耐久レースグループC車両にリアスパッツが採用されたこともある。日産R89Cはリアタイヤが全く見えないくらいにリアスパッツでリアタイヤ全体を覆っている。リアタイヤの超高速回転によって生じる気流の乱れを抑え、車体を安定させたかったのであろう。

出典:日産R89C

 

なぜ、リアスパッツにボルテックスジェネレーターが必要なのか

出典:私が愛用しているボルテックスジェネレーター「星光産業 エアロフィンプロテクター」

 

今までの説明と矛盾してないか?

今までの説明を聞いてきた方は、リアスパッツ装着によってリアタイヤ由来の渦発生を抑え、気流の乱れを抑えることができると説明してきたのに、なぜ乱流を起こす「ボルテックスジェネレーター」が必要なのか?と思われることであろう。だがしかし、リアタイヤ由来の渦発生を抑え、気流の乱れを抑えることができるはずのリアスパッツにボルテックスジェネレーターは必要なのである。なぜなのか?

 

リアスパッツにボルテックスジェネレーターが必要な理由

 

前方から見た自作リアスパッツ

 

 

上から見た自作リアスパッツ

市販品と違って自作リアスパッツの段差・形状がイマイチだから

答えは単純明快で、上の2枚の写真を見ると、私の作った自作リアスパッツは「大きな段差」があることがわかる。今現在の私の技量ではこれぐらいが限界であった。今後FRPの造形スキルを習得すれば私の作りたい「段差のないスムーズなリアスパッツ」を作ることができるかもしれない。ただ重要なのは「タラレバ」を言うことではなく、今目の前にある問題に対してどうロジカルに対処するか、それだけである。

 

大きな段差で空気は剥離してしまう

 

出典:富士車体工業

 

トラックの導風板が良い例

大型トラックのトレーラーヘッドには大抵上の画像のような導風板が取り付けられている。まるでオールバックの髪型みたいだが、決して見た目のみのパーツではなくれっきとした「空力デバイス」なのである。以前にも言ったが、空気は急激な形状変化に追従することができない。これは空気に限らず流体のもつ性質であり、形状に沿って流れの向きが変わるのをコアンダ効果と言う。導風板がないと、トレーラーヘッドとコンテナが階段のように大きな段差があり、トレーラーヘッド上とコンテナの上で空気が剥離してしまうのである。空気が剥離すると大きな渦が発生してしまい、それが大きな空気抵抗となる。そのため、トレーラーヘッドに導風板を付けることで流体の持つコアンダ効果を有効に使うことができ、空気の剥離を防げる。その結果として、導風板を付けていないトレーラーヘッドに比べ、5〜8%燃費が向上すると言われている。

 

「カギ」はボルテックスジェネレーターに導風板の役割を持たせられるかどうか

リアスパッツ周辺に5つのボルテックスジェネレーター

 

リアスパッツ前と後の大きな段差をカバーできるか

おそらくそこにリアスパッツ改善のカギがあるはずである。なぜなら自作リアスパッツのため、リアスパッツ前と後に大きな段差があるためである。この問題点をボルテックスジェネレーター装着によって解消することができれば必ず燃費は良くなる。ちなみにリアスパッツに装着した3つのボルテックスジェネレーターは、段差によって流速の落ちたリアスパッツ表面の気流を乱流によって流速を速める効果を狙って付けたものである。この5つのボルテックスジェネレーターによってリアスパッツ周辺の空気の流速は速まることが期待される。

 

ボルテックスジェネレーターは「導風板」になれたのか?

 

乱流(ボルテックスジェネレーター)は偉大なり

 

またもや燃費アップ!

またもや燃費は上がり、リアスパッツ改善プロジェクト第3弾!「回転を妨げている意外な正体とは?」から+0.5km/Lの32.3km/Lをマークした。やってみて思ったのだが、リアスパッツによる段差はそれほどまでには燃費に影響しないのではないかということである。だが、こういう小さい部分の燃費悪化要因を見過ごしていては最終的な燃費向上幅は小さくなる。「塵も積もれば山となる」とは良く言ったもので、ほんの些細なことの積み重ねが、結果として大きな差になるということではないだろうか。今回の結果でボルテックスジェネレーターが導風板の役割を果たしたかどうかはわからないが、燃費が上がったというデータから、空気抵抗低減に効果があり、それはつまり「導風板の役割」を果たせたと言っても良いのかもしれない。

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