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アルミテープチューンには「もうひとつ」の使い方があるのではないか?
アルミテープチューンといえば、トヨタが考案した画期的な空力チューンである。
走行風によってボディー表面に帯電する静電気を、アルミテープチューンによって静電気除去をするのが一般的な使い方である。
だが、私はアルミテープチューンの「もうひとつ」の使い方を閃いてしまった。
そこで今回は、従来のアルミテープチューンとは一味違う、燃費を上げるための「もう一つの方法」を提案したい。
アルミテープチューンの目的とは?
出典:https://www.webcartop.jp/2016/09/50400
放電せよ!
アルミテープを付ける理由はただひとつ。
「放電」である。
現代の車は、車体の多くに樹脂を使っている。
樹脂は別名プラスチックと呼ばれ、基本的に電気を通さないという特徴を持っている。
この特徴が厄介なのである。
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走行中のボディは帯電している
出典:下敷き
走行中のボディと空気の摩擦がもたらすもの
小学校の時に誰もが一度はやった、静電気で髪を逆立てる”アレ”である。
下敷きはプラスチックで作られており、髪の毛で擦ると静電気が発生する。
その静電気によって髪の毛が逆立つというものである。
トヨタによると、走行中のボディは正(プラス)に帯電するらしい。
これは走行するボディと空気の摩擦によって、静電気が発生するためである。
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また走行するボディ周辺の空気も正(プラス)に帯電しているということがわかっている。
つまりボディと空気が同じ正(プラス)に帯電してしまっているということである。
これは非常に良くない。上の画像のようにボディと空気が反発し、お互いを遠ざけようとしてしまう。
出典:磁石
ボディから空気が剥離してしまうのが問題
静電気が帯電することによってボディと空気がお互いを遠ざけ、その結果としてボディから空気が剥離してしまう不具合が起こる。
ボディから空気が剥離してしまうとボディの周りを空気がきれいに流れなくなる。
その結果、空気の渦を引き起こし、車体は不安定になるとともに抵抗感を感じるようになってしまう。
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静電気の悪影響はそれだけじゃない
出典:ヨコハマタイヤ
静電気から「タイヤ」を救え!
一般的には上に書いたことがアルミテープチューンの分かりやすい応用例である。
ボディに使われているバンパーなどのプラスチックが使用されている外装部分にアルミテープを貼るというのがオーソドックスなアルミテープチューンである。
あなたは忘れていないだろうか?
走行中のボディよりも遥かに速いスピードで地面や空気と常に摩擦している、「タイヤ」という存在を。
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タイヤはみなさんご存知のようにゴムを主成分とする絶縁体である。
正確にはカーボンブラックなどの導電性を有する材料がゴムの補強材としてブレンドしてあるため、完全な絶縁体ではない。
だが、鉄やアルミなどの金属材料と比べてタイヤに溜まった静電気が放出されにくいのは一目瞭然である。
事実、タイヤメーカーも走行中のタイヤに発生する静電気を取り除こうとさまざまな工夫を凝らしているのである。
それほどまでにタイヤと静電気は深いつながりがあり、技術的に解決しなくてはならない「課題」なのである。
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タイヤメーカーがやりたくてもできないことをやればいい!
出典:ブリヂストン
タイヤメーカーが手を加えられるのは「タイヤ」だけ!
アルミテープを使って燃費を上げるもうひとつの方法とは「タイヤの静電気放出」である。
タイヤメーカーが「ああすれば絶対効果がある、だけどやりたくてもできない」。
これを我々はやればいいのである。
タイヤメーカーはあくまでもタイヤメーカーであるため、タイヤにしか手を加えられない。
私自身もブレーキメーカーに勤務しているためこれがよくわかる。
「ハブをああしてくれたらとかホイールをこんな感じにしたらいいのに」なんて思っても、ブレーキメーカーであるためあくまでも自社が製造するブレーキ部品にしか手を加えることができないのである。
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だが、エンドユーザーである私たちは自らの手でどうにでも手を加えることができる。
そこに燃費アップのカギがあるはずだ。
アルミテープでタイヤに帯電する静電気を削ぎ落とすイメージ
フロントストレーキのタイヤ側に張り付け
実際にやってみた
ギザギザにカットしたアルミテープで、タイヤの回転を妨げる静電気をタイヤが回転する度に削ぎ落とし、タイヤの回転をスムーズにすることができると私は考えた。
タイヤがスムーズに回るということはつまり、「燃費が上がること」を意味する。
アルミテープチューンで効果を引き出すための大きさ、形状、カット方法とは?
ポイントは「コロナ放電」
写真にあるようにフロント・リアのストレーキのタイヤ側にギザギザにカットしたアルミテープを張り付けた。
このギザギザにカットするというのがポイントで、ギザギザにカットしたアルミテープからプラス・マイナス両方のイオンが放出され、タイヤの静電気(プラスに帯電)とマイナスイオンが結び付くことで静電気を中和してくれるのである。
例えると、
大根おろし(ギザギザにカットしたアルミテープ)で、大根の皮(タイヤに帯電した静電気)を切り落とすイメージである。分かりにくい?(笑)
もうひとつのアルミテープチューンで燃費向上したのか?
リアストレーキのタイヤ側に張り付け
走りはスムースになり、なんと燃費が1.7km/Lもアップ!
実際にフロント・リアのストレーキにアルミテープを貼り、いつも通りの通勤ルートで試してみた。
すると30.1km/Lという結果が出た。これはアルミテープを貼る前の28.4km/Lから1.7km/Lもアップしたことになる。
ギザギザにカットしたアルミテープの効果テキメンといったところだろうか、スムーズな走りなのである。
気持ちロードノイズが減ったような気もする。
それ以上に体感できたのはやはり抵抗感が減ったことである。
これはフロントストレーキ装着後にアルミテープを貼ったときと同じフィーリングである。
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目には目を、静電気にはアルミテープを
出典:3M製アルミテープ
有効活用することで「走り」は愉しくなる
正直、フロント・リアに装着しているストレーキは純正品ではなく、社外の汎用品を無理やり取り付けたもので、形状や材質などが適切なものなのかどうかよくわからない。
それゆえ取り付け後は、なんとなく取り付け前に比べて抵抗感があるというか車が前に進まないのである。
今回の対策で抵抗感の正体が「静電気」であることが明らかになり、静電気の対策にアルミテープがとても効果的であることも実証された。
タイヤメーカーがやりたくてもできない「アルミテープチューン」。
あなたも試してみてはどうだろうか?
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