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気軽にオープンカーを愉しみたい人には「ロードスター」!歴代モデルの特徴まとめ!

出典:ロードスター

 

世界で最も売れてるオープンカー

マツダ・ロードスターは世界で最も売れたオープンカーとして、ギネス世界記録に認定されたマツダのオープンカーである。

 

軽量コンパクトなボディにアンダーパワーなエンジン、そしてコントロール性の高い後輪駆動車(FR)で「ドライバーを育てる車」としてもイチオシのスポーツカーである。

 

そして、ロードスターは敷居が高いと思われがちな「オープンカー」を、一気に身近なものにした立役者である。

 

当然MTだけでなく、ATもきちんと用意されているあたり、さすがロードスターといった感じである。

 

この辺は、私が乗っている「S2000」とは大違いである。

 

やはり、売れ続けているオープンカーは誰でも気軽に愉しめることが何よりも魅力なのである。
(S2000が気軽に乗れる車でないことは、オーナーである私が一番分かっている(笑))。

 

そこで今回は、歴代のマツダ・ロードスターの特徴について見ていこう。

 

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初代ロードスター(NA)は「人馬一体」をコンセプトに生まれた車

出典:ロードスター(NA)

 

ユーノス・ロードスターから歴史は始まった(1989〜1997年)

マツダ・ロードスターの歴史はNA型ロードスターから始まった。

 

それは1989年のことである。

 

1989年と言えば、あのスカイラインGT-R(R32)やフェアレディZ(Z32)、180SX、レガシィなどが続々にデビューした歴史的な年である。

 

初代ロードスターは時を同じくして1989年にデビューした。

 

ライバル達が「ターボ」による過給機で大幅にパワーアップしていく中、ユーノス・ロードスターは真逆の方法で大ヒットした。

 

コンセプトは「人馬一体」

ユーノス・ロードスターは車重900kg台のライトウェイトスポーツカーである。

 

もちろんエンジンはNAエンジンで、1.6L(120馬力)と1.8L(130馬力)の2仕様がある。

 

このスペックを見ればわかるように、ロードスターは「速さ」を追求したスポーツカーではない。

 

1.6Lで120馬力と何の変哲もないアンダーパワーなエンジンだが、ロードスターにはベストマッチなのである。

 

軽量なFR車は、アンダーパワーなエンジンの方が「自分で走らせてる感」が強くて面白い。

 

MTのシフトノブを小気味良くシフトチェンジしていくのが気持ちいい。

 

それに加え、オープン2シーターで味わう開放感満点の走りは、車に対する世界観を変えてしまうほどである。

 

NA型ロードスターはスポーツカーの真髄とも言える「操る喜び」を誰にでも味わえるようにしたことが素晴らしいのである。

 

S2000オーナーが語る「オープンカー」のあれこれ

 

ロードスター唯一の「リトラ」

スーパーカーの代名詞「リトラ」のデザインを愉しみたい人向けのスポーツカーとは?でも書いたように、初代ロードスターはスーパーカーの代名詞「リトラ」を愉しめるスポーツカーでもある。

 

お目目パッチリな愛くるしいスタイルは初代ロードスターの特権であり、これを愉しむには初代ロードスターしかない。

 

映画「カーズ」でも赤い初代ロードスターが2台登場するなどして、話題になったくらいである。

 

それくらい「かわいい」ということであろう。(笑)

 

2代目ロードスター(NB)はお手軽に愉しめるオープンカー

出典:ロードスター(NB)

 

スポーツカー入門用としても申し分ないお手軽さが売り(1998〜2005年)

初代ロードスターの特徴である「リトラ」が廃止された2代目ロードスターは、歴代ロードスターの中で、最も「カラーが多い」ロードスターである。

 

その数、なんと26色になるらしい(海外仕様も合わせると30色!)。

 

そんなNB型の2代目ロードスターは、初代ロードスターのコンセプトである「人馬一体」を忠実に引き継いでおり、ライトウェイトスポーツカーであることに変わりはない。

 

台数も出たためか、中古車市場でも流通量が多く、50万円台で買える個体も数多く存在している。

 

やはり、初めてスポーツカーに乗る人にとって、安く買えるということは何よりも大きなメリットである。

 

かく言う私も初めて買ってもらった車はS15シルビアのAT車で、車体価格50万円の安価なスポーツカーである。

 

やっぱり初心者は車をぶつけるもんだし、高いと気軽に乗れなくなってしまうのはもったいないと思う。

 

その点、値段がこなれているNB型ロードスターはオススメである。

 

幌のリアウインドウは「ビニール」から「ガラス」に進化!

初代ロードスターは「ビニール・スクリーン」だった幌のリアウインドウは、2代目ロードスターになって「ガラス」製に進化した。

 

オープンカー乗りにとってリアウインドウの素材は重要なポイントで、リアウインドウがビニールやアクリルなどの「プラスチック」系の場合、

 

軽量というメリットがあるが、経年劣化で割れてしまったり、白く曇ったりしてしまって、綺麗に維持するのは非常に困難である。

 

その点、「ガラス」製のリアウインドウは、耐久性が高く、ビニールやアクリルで目立つ経年劣化はほとんど無視することができる。そのため、ガラス製の場合はリアウインドウよりも先に幌の方がダメになってしまうことがほとんどである。

 

S2000でも初期型はアクリル製だったが、途中からガラス製に変更されている。

 

オープンカーにとってガラス製のリアウインドウは正常進化ということなのであろう。

 

1.6Lと1.8LのNAエンジンの他に、1.8Lのターボエンジンを搭載したロードスターがある

調べてみたところ、2代目ロードスターであるNB型には「ターボエンジン」を搭載したモデルがあるようである。

 

気になるスペックは1.8Lのターボで172馬力と思いのほか「控えめ」である。

 

NB8C型は1.8LのNAエンジンでも160馬力を誇っており、ずいぶんとターボモデルは控えめだと言える。

 

ロードスターでターボは珍しいので、あえて狙ってみるのも悪くないかもしれない。

 

初の2Lエンジン+メタルトップで3ナンバー化した3代目ロードスター(NC)

出典:ロードスター(NC)

 

エンジン、ボディーともに「大型化」したロードスター(2005〜2015年)

3代目となったNC型ロードスターは初代、2代目ロードスターとは異なる点が多い。

 

何と言ってもエンジンの大排気量化である。

 

おそらくアメリカ市場での「パワー不足」の不満を解消するために、従来の1.6Lと1.8Lの組み合わせから、2Lオンリーに変更したものだと考えられる。

 

これは同時期に販売していたS2000でも同様で、2Lから2.2Lに排気量アップされている。

 

やはりアメリカ人は大排気量&大パワーがお好みということであろうか。

 

この波はロードスターにも押し寄せたということである。

 

RX-8と共用のプラットフォーム

それに合わせてかどうかは知らないが、プラットフォームも3代目から新しいものが使用されている。

 

車好きの間では有名な話だが、NC型ロードスターのプラットフォームはRX-8と共用である。

 

オープンカー用に設計されたプラットフォームを4ドアクーペにしたRX-8は、シャーシ性能がエンジンパワーに対してかなり勝っており、

 

レーシングドライバー達は口を揃えて「もっとパワーが欲しい」と話したくらいである。

 

私自身ロードスターには乗ったことがないが、NC型ロードスターの剛性感はなかなかに高いのではないかと想像できる。

 

剛性感のあるシャーシは運転していて安心感があるので、おすすめである。

 

リトラクタブル・ハードトップ(RHT)仕様も選べる!

NC型ロードスターの特徴は初代、2代目ロードスターではなかった「リトラクタブル・ハードトップ(RHT)」の存在だろう。

 

約12秒程で開閉可能な電動格納式ハードトップは、大きな魅力だと思う。

 

ハードトップ化していないS2000に乗っているとよくわかるが、夏は頭部が暑いし、冬は反対に寒い。

 

そして雨が降ると傘をさしているのと全く同じ音がするのである。

 

一言でいうと、幌は「質感が低い」と言える。

 

それに対してNC型ロードスターのような電動格納式ハードトップは、幌のような質感の低さはなく、普通の屋根あり車と変わらない。

 

にもかかわらず、オープンカーの爽快感も幌モデルと同じように味わうことができる。

 

これは大きなメリットである。

 

実際、うちのオープンカー大好き親父もロードスターに乗るなら、電動格納式ハードトップのNC型ロードスターが良いと言っていたほどである。

 

大人なオープンカー乗りにとって、電動格納式ハードトップのポイントは高いということである。

 

1000kg切り+1.5Lエンジンで原点回帰した4代目ロードスター(ND)

出典:ロードスター(ND)

 

現代の技術で蘇ったNAロードスター=NDロードスター(2015年〜)

スカイアクティブ・テクノロジーと「魂動」デザインによって蘇った4代目ロードスターはまさに今のマツダを体現しているような車である。

 

3代目のNC型ロードスターは1100kgまで肥大化してしまい、初代のライトウェイトスポーツカーというよりも「GTカー」的な性能が高いオープンカーになってしまった。(それはそれでありだと私は思うが)

 

4代目のND型ロードスターは、もう一度ロードスターのあるべき姿である「人馬一体」を取り戻すべく、徹底的な「軽量化」が行われた。

 

その結果、初代NA型ロードスターと同等の990kgという驚異的な車重まで絞り込んだ。

 

また、2Lまで排気量が大きくなったエンジンは1.5Lにダウンサイジングされ、ロードスターらしさが取り戻されている。

 

リトラクタブル・ハードトップ仕様もある!

なんと4代目のND型ロードスターには「ロードスターRF」と呼ばれる、電動格納式ハードトップを備えた2Lモデルも用意されている。

 

どうやらロードスターRFは先代の3代目であるNC型ロードスターのユーザーをターゲットに開発されたロードスターのようである。

 

確かにエンジンも1.5Lではなく2Lになっており、NC型ロードスターからの乗り換えでもパワー不足を感じることはない。

 

つまり、NCロードスターの新型モデルがロードスターRFということであろう。

 

新型ロードスターは「人馬一体」と「GT」の異なる2つの顔も持つ

出典:ロードスター(ND)

 

より多くの人に「オープンカー」を愉しんでもらいたい

きっとマツダはこう考えて、異なる2つのロードスターを用意しているのだと私は思う。

 

1.5Lの通常の幌モデルは言うまでもなく、初代ロードスターが目指した「人馬一体」で運転することの愉しさであるだろうし、

 

2Lのリトラクタブル・ハードトップ仕様のモデルは3代目のNC型ロードスターで見せた「GTカー」的なオープンカーの愉しさを追求したものであろう。

 

単純に考えて、人馬一体に割り切ってしまえば、優雅にオープンカーを愉しみたい人にとっては不満だろうし、GTカー路線に割り切ってしまうと、軽快に走らせたい人にとっては不満である。

 

ではどうすればいいのかというと、どちらの人も愉しませられるように2つの路線に割り切ったロードスターを作ってしまえばいいのである。

 

それがマツダの経営陣が出した答えであろう。

 

新型のND型ロードスターはNA型ロードスターとNC型ロードスターを最新テクノロジーとデザインで蘇らせているということである。

 

それだけマツダは「ロードスター」という車と「ロードスターを愛するファン」を大事にしているということだろう。

 

S2000も初期型のピーキーでカミソリのような2Lモデルと、タイプSのように成熟した大人のオープンカーを両方売ってくれていれば、今よりもっと多くのS2000が世に出ていたのではないかと思う。

 

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