スポーツカーを愉しむ | 空力による燃費向上実践記や速く走るための空力理論など

ルマン24hを制した孤高の「ロータリー」エンジンの魅力とは?

出典:ロータリーエンジン

 

おにぎりがグルグル回る「ロータリー」エンジン

「ロータリー」エンジンはマツダが世界で唯一量産していたエンジンである。

 

ロータリーエンジンはVTECなどの「レシプロ」と呼ばれるピストンが上下運動することによってパワーを得る一般的な手法ではなく、

 

おにぎりのような三角形をしたローターがグルグル回ることによってパワーを得ている。

 

当然、今世界に普及しているレシプロエンジンとロータリーエンジンは異なる魅力を持っており、それぞれに良いところ・悪いところがある。

 

そこで今回はマツダが世界で唯一量産に成功したロータリーエンジンを搭載したRX-7やRX-8の魅力に迫っていこう。

 

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「ロータリー」エンジンの魅力とは

出典:787B

 

ルマン24hを制したという歴史やプライド

スポーツカーにとってエンジンは特別でなければならない。

 

特別というのは大衆車の流用ではないということだ。

 

その点、ロータリーエンジンはピカイチである。

 

ロータリーエンジンを積んだマツダ787Bがルマン24hを制した歴史を持つロータリーエンジンには熱狂的なファンも多く、世界一になったことに誇りやプライドを持っているようだ。

 

スポーツカーにとって「レースで勝つ」ということは大きな意味がある。

 

「ロータリー」エンジンにはレシプロエンジンでは味わえない魅力がある

出典:ロータリーエンジン

 

どこまでも回ってしまいそうな独特のエンジンフィーリングは病みつきになる

そんな根強いファンがいるロータリーエンジンは、エンジンフィーリングとサウンドもレシプロエンジンと違い、独特である。

 

まず、エンジンフィーリングは一言でいうと「モーター」である。

 

レシプロエンジンのようにピストンが上下運動するのではなく、おにぎり型のローターが回転するため、モーターのようにスムーズに回転するのが特徴である。

 

以前、私はRX−8の後期モデルでワインディングを走らせてもらったことがある。

 

当時私はS15シルビアのNAに乗っており、ロータリーエンジンの車には乗ったことがなかった。

 

初めて乗せてもらったのだが、シルビアのレシプロエンジンとは何もかもが違っていた。

 

レシプロエンジンはある回転数でパワーの盛り上がり感があるものだが、ロータリーエンジンはどの回転数でも一定のトルク感で、特別盛り上がりがあるわけではなかった。

 

ロータリーエンジンに初めて乗った私は、スムーズ過ぎてレッドゾーンのことを忘れ、「警告音」が鳴って始めてレッドゾーンに達したことを知ったくらいである。

 

同じ9000回転でも全く異なる「ドラマ」がある

私が乗せてもらったRX-8のレッドゾーンは9000回転からで、同じく9000回転まで回るS2000とも全く異なるフィーリング、パワー感であった。

 

どこまでも回っていきそうな感じ」とロータリーエンジンに乗っている人はよく言うけれど、まさにそう思った。

 

レシプロエンジンで感じる高回転域のドラマチックな感じでレッドゾーンまでブン回る感じではなく、

 

レッドゾーンに達しても苦しい感じはまるで伝わってこないし、本当にどこまでも回っていきそうな感じであった。

 

これは違った意味で気持ちいいし、快感でもある。

 

独特の甲高いエンジンサウンド

RX-7は動画でしか見たことがないのでよくわからないが、RX-8のエンジンサウンドも私は好きである。

 

上手く言葉にできないが、RX-8の9000回転でのエンジンサウンドは美しいクラシック音楽のように滑らかで上質な心地良いサウンドなのである。

 

それに対してS2000の9000回転でのエンジンサウンドは荒々しくハードロックのような興奮させるサウンドである。(サウンドを言葉で伝えるのはとても難しい(笑))

 

どちらのエンジンサウンドも私にとっては魅力的だし、欲を言えばRX-8も所有したいくらいである。

 

現実的には難しいところではあるが…。

 

RX-7とRX-8は同じロータリーエンジンだが、ターボとNAの違いもあり、サウンドも結構違うようだ。

 

私はロータリーロケットなRX-7より、NAロータリーのエンジンサウンドの方が好みである。

 

高橋涼介も虜になるロータリーエンジンがもたらす高い「運動性能」

出典:頭文字D

 

軽量コンパクトなロータリーエンジンだからこそ、下げられる「重心」

ロータリーエンジンのフィーリングやサウンドももちろん魅力的だが、スポーツカーにとってのロータリーエンジンもまた、魅力的なのである。

 

ロータリーエンジンを搭載したRX-7やRX-8はどちらも国産最速クラスのコーナリングマシンである。

 

これはロータリーエンジンによる恩恵が大きいと私は思う。

 

ロータリーエンジンはハイパワーでありながらも「軽量コンパクト」であり、最も重いエンジンを車体のより中心に低く置けるという特徴がある。

 

出典:羽生結弦

 

マスの集中化はヨーを低減させ、コーナリングスピードを向上させる効果がある。

 

わかりやすくいうと、フィギュアスケートのジャンプやスピンでは必ず手を体に近づけて行っている。

 

つまり重量物である手を回転の中心側に近づけることで回転スピードを上げているのである。

 

これと同じことがマスの集中化で可能になる。

 

またコンパクトゆえに極力低い位置にエンジンを置けるため、車体の重心を下げる効果があり、コーナリング中のロールを少なくする効果がある。

 

スポーツカーにとって軽量コンパクトなエンジンは利点が大きいのである。

 

ロータリーエンジンの意外な美点

出典:RX-8

 

アイドリング中の不快な振動が高級車並みに少ない

これは自分で乗ってみなければ絶対にわからないことだが、ロータリーエンジンは信号待ちなどでアイドリングをしている際の振動がものすごく少ないのである(RX-8)。

 

さすがにエンジン完全停止のハイブリッドカーには敵わないが、エンジン車としては振動が少ないことで有名な「直6」エンジンにもまったく引けをとらないくらい振動が少なかった。

 

これは思わぬ美点である。

 

ファミリーカーとしてのRX-8も悪くはないと思えた瞬間であった。

 

タイプSなどの高出力モデルではなく、あえて低出力モデルを選び、ファミリーカーとして愉しむのも私はありな気がする。

 

もって生まれたコーナリングマシンとしてのポテンシャルはそのままに、普段使いの足として所有するのも愉しそうだ。

 

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