「ターボとNA」徹底比較!スポーツカー購入後に後悔しないための「エンジン」選び

愛車S2000

 

スポーツカーを語るうえで切っても切れない話題が「ターボorNA」

スポーツカーにとってエンジンは魂のようなものである。

 

そのため、エンジンに対するこだわりは車に興味のない人にとってはある種、異常とも感じられるかもしれない。

 

かく言う私も以前S15シルビア(NA車)に6年乗っており、エンジン載せ替えして「ターボ車」にチューニングするか、NAのまま愉しむかで大いに悩んだ経験がある。

 

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そこで今回は、スポーツカーにとって魂である「エンジン」をどう選ぶか。

 

大きくターボ、NAに分けて、それぞれのエンジンが持つ魅力に迫っていきたいと思う。

 

最低限知っておきたい「スポーツカー」のこと

 

 

 

「ターボ」の魅力とは

出典:RB26DETT

 

ターボの魅力は何と言っても「過激なパワー」

ターボ車はエンジンの排気ガスによってタービンを回し、空気を圧縮する。

 

圧縮することによって通常よりも多くの空気をエンジンにぶち込むことができるため、ターボ車は馬力のあるハイパワー車になりやすい。

 

また、タービンが回ることで空気を圧縮するため、ある回転数からタービンが仕事をすることで、人が変わったようにモリモリの鬼トルクになる。

 

この分かりやすいパワーの盛り上がり方を好む人も多い。

 

この傾向を極端なターボ車のことを「ドッカンターボ」と呼んだりするが、有り余るパワーで狂ったように加速していくじゃじゃ馬を乗りこなすのもターボ車の魅力の一つである。

 

パワーに対して軽い車体

ターボ車はコンパクトなエンジンで大排気量車顔負けのパワーを発揮することができる。

 

シルビアなどの2.000tクラスのエンジンでも、チューニングによって300〜400馬力ぐらいのパワーが出せてしまうのも魅力である。

 

NAで300〜400馬力を出すにはリッター100馬力の高性能NAエンジンでも3.000〜4.000tクラスの大きなエンジンが必要であり、

 

軽量コンパクトなエンジンで大パワーが出せるため、車重が軽くて速い車に仕立てやすいのもターボ車の魅力である。

 

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「ターボ」はチューニングによって簡単にパワーアップが可能

出典:トラスト

 

ターボ車の大きな魅力は「チューニングによって簡単にパワーアップできる」こと

ターボ車のパワーアップは簡単で、単純にエンジンにぶち込む空気の量を多くすればいいのである。

 

エンジンにたくさん空気を送りこむにはどうすればいいのか。

 

空気をより圧縮しつつ、密度を高く、さらに吸気と排気のバランスを良くすればいいのである。

 

具体的に3つのアプローチによって、ターボ車の戦闘力は大幅UPできる。

 

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@タービン交換で、タービンを大きくする

タービンを大きくすることで、圧縮できる空気の量が大きくなる。

 

タービンを大きくすることで、より多くの空気を圧縮し、エンジンに送り込むことができるからである。

 

だが、大きなタービンを回すには今まで以上の風量を吹かせなければタービンが仕事をしなくなってしまう。

 

サイズアップしたタービンを有効活用するためには、エンジンの排気量を上げて排気ガスそのものの量を増やすか、より流速の速い高温の排気ガスをタービンに当てることが必要である。

 

多少費用は掛かるが、大パワーを手に入れることが可能になる。

 

Aインタークーラー大容量化で、圧縮した空気を冷やす

空気は圧縮すると温度が上がる。

 

温度が上がると体積が膨張してしまうため、エンジンに送り込める空気の量が減ってしまう。

 

圧縮した空気をたくさんエンジンに送り込むためには、インタークーラーなどで圧縮した空気を冷やし、大量の空気を送り込めるようにすることが必要である。

 

純正サイズからインタークーラーを大容量化することで、圧縮した空気をより効率的に冷やすことができるため、ターボ車のパワーアップには欠かせない。

 

B抜けの良いマフラーに交換して、排気ガスの抜けを良くする

タービンをぶん回すには、排気ガスの抜けを良くすることが重要である。

 

マフラーの抜けが悪いと出口がふん詰まり、タービンが回らないためパワーが出ない。

 

マフラーの口径を大きくすることで簡単に排気ガスの抜けを良くすることができるため、ターボ車のパワーアップチューンには必須である。

 

以上の3つを行えばターボ車は簡単にパワーアップすることができる。

 

少ない費用で大幅にパワーアップできるコスパの良さがターボ車の大きな魅力なのである。

 

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「NA」の魅力とは

出典:S2000の心臓「F20C」

 

NA車の魅力は、「レスポンス」「官能的なサウンド」「高回転の快感」「自然な出力特性」

過激なパワーと簡単にパワーアップできるコスパが良さが魅力のターボ車に対して、NA車の魅力とは一体何なのだろうか?

 

私が思うNA車の魅力は簡単に言うと「気持ちよさ」である。

 

ターボ車の過激なパワーによる気持ちよさも当然あるが、NA車の気持ちよさはターボ車とは違う気持ちよさなのである。

 

このあたりがターボ派とNA派を分ける大きな要因なのではないかと個人的に思う。

 

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NA車の気持ちよさは元祖F1のレーシングスピリッツに通ずるものがある

出典:アイルトン・セナ

 

右足とエンジンがくっ付いているかのような鬼レスポンス

NA車の魅力の一つは、レスポンスがめちゃめちゃ良いということである。

 

NA車はまるで右足とエンジンがくっ付いているかのように、ドライバーのアクセル操作に反応してくれる。

 

この遊びのないダイレクトなフィーリングがターボ車には無いNA車の魅力である。

 

超小型のタービンで極力ターボラグを減らしたホンダS660でさえ、普段S2000の超絶アクセルレスポンスに慣れている私にとっては「レスポンスが悪い」と感じられる。

 

人馬一体感の強さはNA車の気持ちよさに直結している。

 

その気にさせる官能的なサウンド

NA車はタービンが付いていないため、ターボ車にありがちなこもったエンジンサウンドではなく、甲高い官能的なエンジンサウンドになる。

 

やはりスポーツカーたるもの、エンジンサウンドはとても重要である。

 

まるで楽器のような官能的で、F1を彷彿とさせる甲高いエンジンサウンドはNA車の特権であり、NA車の気持ちよさなのである。

 

高回転までぶん回す快感

高性能なNA車は高回転まで回せば回すほどにパワーを発揮するような、レーシングな特性を持っている。

 

ターボ車ではレッドゾーンの領域からがNA車の真骨頂である。

 

タコメーターの針が狂ったように振り切れる背徳感はNAでしか味わえないものであり、一度体験すると病みつきになること間違いなし。

 

かく言う私も、一度S2000を試乗して9000回転までぶん回して魅了されてしまった一人である。

 

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扱いやすいマイルドな出力特性

NA車はターボ車と違ってある回転数から唐突にパワーが立ち上がるような扱いにくさはなく、回せば回すほどパワーが出るような扱いやすさが魅力である。

 

コーナリング中の滑るか滑らないかのギリギリで走っているときに、急激にパワーが出るとコントロールが難しい。

 

意のままに操れるコントロール性の高さもNA車の気持ちよさなのである。

 

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ターボとNA、それぞれの短所を比べてみる

出典:S2000

 

これまでターボ車とNA車の魅力について述べてきたが、短所については触れていない。

 

そこで、短所についても知ることでターボ車とNA車の魅力を際立たせていこうと思う。

 

「ターボ車」の短所
レスポンスが悪い

ブーストが立ち上がるまではパワーが出ないため、アクセル操作に対しての反応もイマイチである。

 

どんなにセッティングが決まったとしても、NA車のような鋭いレスポンスはターボ車には出せないのは、ターボ車のデメリットである。

 

コントロールが難しい

ターボ車はエンジンの回転数によってエンジンの性格が大きく変わる。

 

そのため、タービンが仕事をしているときは暴力的な加速をするが、タービンが仕事をする前は圧縮の抜けたNAエンジンと一緒であり、正直言ってへなちょこである。

 

直線をかっ飛ばすだけなら最高だが、NA車よりコーナリングは難しいはずである。

 

リアタイヤが滑るかどうかのときに突然ターボパワーが炸裂することで、意図せずともパワーオーバーを引き起こしてしまう可能性があり、じゃじゃ馬を乗りこなすにはそれなりの技術と理解が必要である。

 

「NA車」の短所
パワーアップにお金が掛かり、絶対的なパワーではターボ車に敵わない

NA車はターボ車のように簡単にはパワーアップすることができない点が明確なデメリットである。

 

ターボ車はタービンという魔法のツールが付いているためにタービンが働くようにすれば簡単にパワーアップが可能である。

 

それに対し、NA車はコツコツ地道な積み重ねがパワーアップに繋がるため、チューニングに手間とお金が掛かってしまい、簡単にはパワーアップできない。

 

また、多額の費用をつぎ込んでも直線でターボ車に勝つのはほぼ不可能である。
S2000をもっと愉しむチューニング

 

ターボvsNA、速いのはどっちだ!

出典:スカイラインGT-R(R33)

 

同じお金を払うなら、簡単にパワーアップできるターボ車が速い

多少コーナリングスピードを犠牲にしても、直線が速い車の方がサーキットでも速いのは確かである。

 

現実的に、頭文字DのようにNAのAE86がターボ車のスカイラインGT-Rに勝つことは難しく、AE86をカリカリにチューンしたとしても、同じお金をスカイラインGT-Rにつぎ込めば化け物のように速くなる。

 

基本的に我々一般人が乗るスポーツカーにライトチューンをするくらいでは、ターボ車の方が速いと言える。

 

莫大なお金をつぎ込めばASMのS2000のように筑波サーキット56秒台を叩き出すバカ速いNA車を作ることも可能だが、費用対効果の面では現実的ではない。

 

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私のおすすめは断然「NA」

 

出典:ASM S2000

 

私の価値観に合うエンジンは「NA」

私はせっかちなので、ターボ車のレスポンスの悪さやターボラグによる感覚とのズレが我慢ならない。

 

私にとって絶対的な大パワーはそれほど価値がなく、それよりもNA車特有のレスポンスの良さや高回転までぶん回したときの爽快感や官能的なサウンドに心惹かれる。

 

元祖F1のようなエンジン特性が持つ魅力こそ、スポーツカーをより愉しむためには必要だと私は思っており、その魅力を持ち合わせているのはターボではなく、NAエンジンなのである。

 

もちろんこれは私の価値観であり、「ハイパワーターボエンジン+4WD以外は車に非ず」という須藤京一のような価値観を持つ人も当然いる。

 

重要なのはNA派、ターボ派ということではなく、「自分がどういうものに価値を感じるのか」ということなのである。

 

自分の価値観を基にして、スポーツカー選びをすれば後悔をすることもない。

 

すべては自己責任であり、自分の価値観に合うスポーツカーに出会えればそれはそれは幸せなものである。

 

私はS2000に乗れて最高に幸せだが、あなたはどうだろうか?

 

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