駆動方式とスポーツカー FF編

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駆動方式とは読んで字のごとく、「エンジンパワーを路面に伝えるスタイルの話」

車にはタイヤがフロントに2本、リアに2本の計4本ある。

 

その4本のタイヤをどのように使って前に進むか、はたまたエンジンをどこに積むかでその車の特徴が見えてくる。

 

それでは、駆動方式とスポーツカーの奥深い世界に入っていこう。

 

最低限知っておきたい「スポーツカー」のこと

 

 

 

駆動方式とは?駆動方式の基本的な考え方

S2000のエンジンルーム

 

駆動方式とは

エンジンを車体のどこに積むか
どのタイヤを使ってエンジンパワーを伝えるか

 

簡単に言うとこれだけである。エンジンは燃料を燃やしているため、熱と音、排気ガスが発生します。

 

そのため人間はエンジンと同じ空間では生きられないため、人間は車体中央の「キャビン」と呼ばれる箱に居住スペースがある。

 

エンジンはキャビンの前or後に積む

人間とエンジンは共存できないので、エンジンは大まかに

 

@キャビンの前
Aキャビンの後ろ

 

の2パターンの積み方になる。

 

基本的にエンジンは車体を構成する部品の中で最も重いため、どこにエンジンを積むかで車の性格は変わってくる。

 

駆動輪は前2本か後2本、もしくは4本全部使うか

エンジンパワーを伝えるタイヤのことを「駆動輪」と言うが、駆動輪のパターンは

 

@フロントタイヤ2本
Aリアタイヤ2本
Bフロントとリア全て使う4本

 

の3パターンある。エンジンパワーを伝えるのが、前輪か後輪かはたまた4輪全部かで車の性格が変わってくるのである。

 

つまり、駆動方式とはエンジンをどこに積むか、駆動輪をどのタイヤにするかだけなのである。

 

大体駆動方式の基本的な考え方は理解できたと思うので、具体的な駆動方式の走りの特徴について掘り下げていこうではないか。

 

大多数の車は「FF」

出典:FFの駆動方式

 

FFとは?

今現在、地球上を走っている車の90%以上は「FF」という駆動方式を採用しており、車と言えばFFと言っても過言ではないほど、FFは駆動方式としてポピュラーなスタイルである。

 

FFはフロントエンジン・フロントドライブの略で、エンジンをフロントに積み、駆動輪はフロント2本である。

 

FFの特徴

FFの特徴は「全てをフロントで済ませる」ことにある。

 

そのため、フロントにぎっしりとメカが詰まっている反面、リアはすっからかんである。

 

一般的に「フロントヘビー」と揶揄されることもある駆動方式だが、すべてをフロントに押し込んだことで、メリットも多い。

 

世界で最も売れているFFの「メリット」

出典:インテグラタイプR(DC2)

 

室内が広く使える

FFはフロントに機能を集約させたため、キャビンから後ろはすっからかんである。

 

そのため、空間を人間が快適に過ごせるように広々した設計にすることができます。

 

「スペース効率が良い」ことが大きなメリットであり、小さい車体でもFFにすることで、広々とした車内空間を得ることができるのである。

 

そのため、コンパクトカー、エコカー、ミニバン、SUV、セダンなど、ありとあらゆる車で採用されている駆動方式なのである。

 

パワーを無駄なく伝えられる=燃費が良い

FFのメリットはエンジンと駆動輪がフロントにあるため、パワーを無駄なく伝えることができるため、「駆動ロス」を小さくすることができる。

 

駆動ロスが小さいということは、無駄がないということと同じである。

 

つまり、燃料を無駄に消費する必要がなく、燃費が良いというメリットがあるため、エコや低燃費が叫ばれる現代にマッチした駆動方式なのである。

 

安定感がある走り

FFは駆動輪が前にあるため、「馬車」に例えられることが良くある。

 

馬車は人間が乗っている荷台を馬が前から引っ張っていくスタイルであり、この「前から引っ張る」というところにFF車のメリットである「安定感のある走り」が隠されているのである。

 

例えば、戦場で動けなくなった兵士をあなたがA地点からB地点まで歩いて移動させなければならないという場面を想像して欲しい。

 

兵士は持ち上げられないほど体重が重い。そんな兵士をどう移動させるかということになる。

 

そうなると以下の2択になるのである。

 

@兵士を前から引っ張りながら歩く
A兵士を後ろから押しながら歩く

 

「前から引っ張るか」「後ろから押すか」の2択だが、ほとんどの人が「前から引っ張る」を選ぶことだろう。

 

なぜなら、前から引っ張る方が確実に行きたい方向に進めるからである。

 

後ろから押したのでは力の掛け具合で右に行ったり左に行ったりしてしまい、思うようにいきたい方向に進めない。

 

何が言いたいのかと言うと、駆動輪が前にあるFFはフロントタイヤがぐいぐい前に引っ張っていくため、直進安定性が良く、運転が楽であるということである。

 

雪道に強い

FFは駆動輪であるフロントタイヤの上に重たいエンジンが乗っているため、フロントタイヤが滑りにくく、雪道でもスタックしにくいのがメリットである。

 

さらに駆動輪が前にあるため、滑りやすい雪道であっても直進安定性があり、運転しやすいのも大きなメリットである。

 

なぜFRは雪道に弱いのか?FRが雪道でスタックしやすい理由とその対策とは? 

 

走りの面では「デメリット」が目立つ

出典:CR-X

 

走りを重視するスポーツカーとしてみるとFFの「デメリット」が目立つ

世界で最も売れているFFという駆動方式は、「室内が広い」「燃費が良い」「直進安定性がある」「雪道に強い」などなど「日常使いの車としては」文句のつけようがないほどに優れている。

 

だがそれは、「日常使いの車としては」という言葉が前に付く。

 

合理性に欠ける

FFは「駆動輪」と「舵取り」の2つの仕事がフロントタイヤ2本に集中しているため、リアタイヤの仕事が「転がっているだけ」という状態である。

 

普通に考えたら車に付いているタイヤ4本に仕事を振り分けた方が合理的である。

 

例えば従業員が4人の会社で想像して欲しい。

 

ある単純作業を2人だけに任せるのと4人全員でする場合を比べれば、普通に考えて4人でやった方が楽に早く仕事が片付く。

 

FFは4人従業員がいても主に2人しか働かせることができないシステムなのである。

 

私は合理主義なので、FFという非合理的な駆動方式がスポーツカーとしてどうにも好きになれない。

 

スポーツカーではなく、普段使いの車として考えればこれ以上理にかなった駆動方式はないと思うくらいなのだが。

 

フロントヘビーでアンダーステア傾向

FFはフロントが重い「フロントヘビー」であるため、基本的にアンダーステアである。

 

コーナーを攻め込んでいくと、どうしても重いフロントの方が軽いリアより先に遠心力に負けて外側に流れてしまう。

 

簡単に言うと「曲がりにくい」のがデメリットである。

 

FFには「タックイン」と呼ばれるFF特有のテクニックを上手く利用すればかなり速いコーナリングも可能である。

 

加えてフロントタイヤは「駆動輪の役目」も担っているため、フロントタイヤの余裕がないのである。 

 

速いFF乗りはリアタイヤに仕事をさせる

出典:S耐

 

FFは一言で言うと「ツライ」駆動方式

それはフロントタイヤ2本で頑張ろうとするから辛くなる。

 

そのため、速いFF乗りはフロントタイヤだけに仕事をさせるのではなく、リアタイヤにも積極的に仕事をさせるのである。

 

これはまさに優れた経営者の戦略と一緒で、リアタイヤをサボらせている内はFF乗りとしてはまだまだなのかもしれない。

 

代表的なFFのスポーツカーといえば?

 

 

ホンダ シビックタイプR(EK9)

私にとってFFのスポーツカーと言ったら「シビックタイプR」の「EK9」である。

 

この丸っこい可愛いハッチバックと、B16Bという激速テンロクVTECを積んだ「ギャップ」がたまらない車なのである。

 

最初はこの車に乗りたかったのだが、当時は予算の都合により叶わなかった。(笑)

 

今でも街で見かけるとつい目で追いかけてしまう車である。

 

ホンダの高回転型NAエンジン「VTEC」は最高!オススメのVTECマシンを紹介!

 

まとめ

S2000乗りがバカ正直に新型シビックタイプR(FK8)を試乗レビューしてみた!

 

FFでも速く走れる

これだけたくさんのメリットがあれば、FFが世界で最も売れている駆動方式というのも納得できる。

 

スポーツカーとしては不利な一面も覗かせるFFだが、そんなハンデをものともせずFFを速く走らせる人はかなりクールだなと私は思う。

 

最低限知っておきたい「スポーツカー」のこと

 


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