高速で燃費向上を狙うならタイヤの空気圧は高めにセットし、転がり抵抗を減らせ!
出典:空気入れ
タイヤの空気圧、あなたは気にしているだろうか?
意外と気にしていないという人が多い「タイヤの空気圧」。
実は走りに大きく作用する重要なパラメータなのである。
タイヤの空気圧をチェックするのは夏タイヤと冬タイヤの履き替えのタイミングだけというあなた、実はかなりの損をしているかもしれない。
そこで今回は、タイヤの空気圧がどれほど燃費に影響するのか説明しよう。
空気圧を高めにすることで転がり抵抗を減らす
出典:イエローハット
あえてタイヤの設置面積を減らすことで、転がり抵抗を低減させる!
タイヤの空気圧には「適正値」というものがある。
この適正値よりも高くても低くてもタイヤにとって問題が生じてくる。
空気圧によってタイヤにどんなことが起こるのかを上の画像でわかりやすく説明されているので見て欲しい。
タイヤの空気圧が「適正」のとき
タイヤの空気圧が「適正」のときでは、タイヤのトレッドと言われる接地面全体がアスファルトときれいに接地するようになっている。
これはタイヤメーカーがタイヤの空気圧が適正のとき、最も性能を発揮できるように設計されているため乗り心地や静粛性、耐久性、グリップなどが高次元でバランスされている状態である。
タイヤの空気圧が「不足している」とき
タイヤの空気圧が「不足している」ときでは、タイヤのトレッドと言われる接地面全体がアスファルトときれいに接地するのではなく、トレッド面の両肩が強く押し付けられていることがわかる。
オフロードを走る車やバイクではあえてタイヤの空気圧を極端に不足させることで、低μの路面でもタイヤのグリップを高めている。
だが高速道路ではタイヤのバーストに繋がるなど、デメリットが目立つ。
タイヤの空気圧が「高い」とき
タイヤの空気圧が「高い」ときでは、タイヤのトレッドと言われる接地面全体がアスファルトときれいに接地するのではなく、トレッド面の中央部だけでアスファルトと接地していることがわかる。
つまり、タイヤとアスファルトの接地面積が減少することを意味しており、結果的に高速道路を走るうえで転がり抵抗を減らすことに繋がるというわけである。
実際に私のワゴンRでは空気圧をかなり高めにセットすることで燃費向上を狙っている。
空気圧を高めにすることで生じるメリット・デメリット
出典:空気圧センサー
唯一無二のメリットは「転がり抵抗が減少し、燃費が良くなる」こと
空気圧を高めにセットすることで得られるメリットは、正直なところ「燃費向上だけ」である。
それ以外はデメリットしかない。
数多くのデメリット
空気圧を高めにすることで生じるデメリットはたくさんある。
以下に示したのがその代表である。
@乗り心地がゴツゴツして悪くなり、ロードノイズが増える
問答無用で乗り心地は悪くなる。
タイヤは路面の凹凸を吸収するクッション材としての役割もあるが、空気圧を高くすることで固いクッション材に変えたような乗り味になる。
また、空気圧を高くすることでタイヤが固くなり、ロードノイズも大きくなることがワゴンRで確認できた。
Aタイヤの寿命が短くなる
タイヤの空気圧を高くすることでタイヤのトレッド面は中央部だけしかアスファルトと接地しなくなる。
これはつまり、タイヤの中央部のみが摩耗するためタイヤが綺麗に減らずに、ライフが短くなってしまうということを表している。
Bグリップ性能と路面追従性が悪化
Aと同様に、タイヤの空気圧を高くすることでタイヤのトレッド面は中央部だけしかアスファルトと接地しなくなるため、どうしてもタイヤのグリップ性能は落ちる。
また、道路の停止線の凸凹をあるスピード以上で通過するとまるで地面から浮いているかのような気持ち悪い感覚を覚えた。
接地感の無さは非常に怖い。
このように空気圧を高くすることは高速道路での燃費を良くする以外の点では、デメリットしかないと言っても過言ではないだろう。
それでも私のように空気圧を高くして燃費を上げたいという人はガソリンスタンド等で空気圧を調整することができる。
インチダウン+低燃費タイヤで転がり抵抗を低減し、燃費UPできるのか?
空気圧の調整・チェックはガソリンスタンドで無料でできる
出典:シンクレア ガソリンスタンド
「タイヤの空気圧見てもらえますか?」でOK!
ガソリンスタンドに行ってガソリンを入れるついでに、「タイヤの空気圧見てもらえますか?」と一言言うだけでタイヤの空気圧のチェック・調整をしてもらえる。
そのときに例えば「300kPaでお願いします」などと希望を伝えれば、そのようにしてくれる。
しかも無料で。これを利用しない手はないだろう。
セルフのガソリンスタンドでも空気圧は無料で調整できる
セルフのガソリンスタンドでは多くの場合、空気圧を調整できるように設備が用意されている。
基本的に無料で調整させてもらえるが、場所によってはガソリンを入れた方限定などと条件がある場合があるので、そこは注意してもらいたい。
空気圧の調整は自転車に空気を入れるのを機械がやってくれるだけで特別難しいことはない。
もし使い方がわからなかったら、素直に「使い方がわからないので教えてください」と近くのガソリンスタンドのスタッフに声を掛ければ親切丁寧にやり方を教えてくれるだろう。
夏タイヤからスタッドレスに履き替えると、どれくらい燃費が下がるのか
高速通勤専用の愛車ワゴンRでは空気圧は300kPaにセット!
燃費向上というメリットだけを考えて、私は空気圧を300kPaにセットする
250kPaと300kPaにおける燃費の差は誤差レベル
ワゴンRの純正タイヤサイズ(145/80R13)の空気圧で適正値は220kPAである。
そこでタイヤの空気圧を250kPaと300kPaの2パターンでフィーリングを確かめてみた。
250kPaはどうか?
250kPaでは適正値より少し高めにセットしたくらいである。
250kPaでいつもの高速道路を走ってみた走行フィーリングとしては、思った以上に乗り心地などに悪影響が出なかった。
なんとなく固くなったかな?というぐらいで特別乗り心地やロードノイズが気になることはなかった。
肝心の転がり抵抗は適正値の220kPaよりはスムーズに進む感じがあった。
300kPaにするとデメリットが目立つ
300kPaでは適正値よりかなり高めにセットした状態である。
250kPaでは感じなかった乗り心地やロードノイズの悪化を300kPaでは顕著に感じた。
先に述べたデメリットがすべて顕在化したと思ってもらえれば間違いない。
肝心の転がり抵抗は250kPaと大差はなく、転がり抵抗低減によるメリットよりもデメリットの方が大きくなってしまっているという感じである。
まとめ
私にとってワゴンRの存在価値は、燃費を追求することである
3パターンの空気圧を実験した結果
今回はタイヤの空気圧を適正値(220kPa)、少し高め(250kPa)、かなり高め(300kPa)の3パターン試した。
私の体感としては少し高めの250kPaにセットするのが転がり抵抗低減のメリットを享受しつつ、乗り心地悪化等のデメリットが気にならないという点でおすすめである。
「過ぎたるは及ばざるが如し」、だがそれでいい
300kPaは明らかにやりすぎであると感じた。
メリットのわりにデメリットが大きすぎるのである。
これでは一般のドライバーにはおすすめはできない。
だが私はワゴンRのタイヤの空気圧を「300kPa」にセットしている。
なぜならそれが私にとってのワゴンRの存在価値だからである。
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