カナードはフロント専用じゃない!「渦」を活かした「リアに効く」カナード活用法とは?
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カナードは基本的に「フロント」に装着するもの
カナードは、レースの世界でもよく使われる空力デバイスで、チューニングカーやレーシングカーでも速さを追求したマシンには大抵付いている「速くなる」エアロパーツである。
カナードの使い方は「フロント」に装着するのが一般的な使い方であり、フロント以外でカナードを使う人はあまり存在しない。
そこで今回は、フロントに使うのが当たり前になっている「カナード」をフロント以外の場所に設置し、更に速くする空力チューンを考え、愛車S2000で効果を検証してみた。
そもそも、なぜ「カナード」がフロントのダウンフォースを発生させるのか
愛車S2000と空力実験車両ワゴンR
「渦」がフロントのタイヤハウスから空気を吸い出し、圧力を下げる
カナードがフロントのダウンフォースUPに効果的なのは「カナードが作り出す渦」が上手く作用するからである。
カナードが作り出す渦によって、タイヤハウス内の空気が外に吸い出され、フロントのリフトを抑える効果がある。
カナードの効果で、カナードの上の方のタイヤハウス前やホイールまでも圧力を下げることができるのである。
見た目は小さいブーメラン状のパーツだが、発生させるダウンフォースは見た目から想像するよりも遥かに大きいということがわかるだろう。
「カナード」でダウンフォースを最大限発揮させる枚数、形状、装着位置とは?
カナードの渦を応用すれば「リアタイヤハウス」の空気も抜けるのでは?
小サイズのカナードを2枚使用!
リアタイヤ「前」にカナード設置でリアタイヤハウスの空気を引き抜け!
リアタイヤハウス前に設置した2枚のカナードの空力設計の考え方は、基本的にフロントのカナードと同じ考え方である。
カナードが強い渦をリアタイヤハウス周辺に発生させ、強引に空気を引き抜く作戦である。
フロントのカナードは空力の感度がかなり高いため、形状や角度が如実に効果に現れるが、リアはどの程度の感度なのかは不明である。
そこで、フロントのカナードと同じ考え方で「低めの位置に2枚、同じ角度でホイール中央に向かって空気が流れるように」設置した。
クラッシュ前に装着していた「ASMサイドエアロスポイラー」のエアロ効果でS2000のコーナリング性能を向上させろ!があれば、さらに効果が上がりそうな感覚である。
サイズは大中小あるが、リアタイヤハウス前は形状的にも小さいカナードしか付けられそうになかったため、小サイズを採用し、気持ち角度を付けてみた。
「サイドスカート」でグラウンドエフェクト効果を生み出し、コーナリングスピードを上げる方法
カナードでリアバンパーのダクトから更に空気を引き抜ける?
純正リアバンパーに穴開けダクト加工して速さを追求!
リアタイヤ「後」にカナード設置でリアバンパーダクトから空気を引き抜け!
愛車S2000はお金を掛けずにS2000を扱いやすく速くするチューニング!カギは「空力」にあり!によって、純正リアバンパーにダクトを開けている。
これは、いかにもパラシュート効果が発生しそうな形状をしているS2000の空力性能を向上するために、自分でダクトを開けたものである。
「この巨大なリアバンパーのダクトから、更に空気を引き抜くことができないか?」
そう考えていたところ、私は閃いたのである。
「カナードの生み出す渦を使えば、更にリアバンパーのダクトから空気を引き抜けるはずだ!」
そうすれば、今以上にパラシュート効果によるドラッグと、リフトを抑えることができるはずである。
カナードの角度はなるべくドラッグを発生させず、渦だけが欲しかったため、空気の入り口を水平にセットした。
また、カナードの後端はリアバンパーのダクト位置にドンピシャで来るようにセットした。
空力チューン第4弾!リアバンパー穴開け加工でパラシュート効果をやっつけろ!
リアタイヤハウス前後のカナードは「リアのリフト抑制」に効果抜群!
リアタイヤハウス前後にカナードを装着!
リアのリフトが抑えられたことで「アンダーステア」方向に変化!
早速リアタイヤハウス前後にカナードを設置し、思惑通りの性能を発揮しているかをいつものワインディングでチェックした。
フロントのカナード有無によって、フロントのハンドリング性能が変化していることを確認した後で、リアタイヤハウス前後のカナードの効果を確かめた。
結論から言うと「思惑通り、リアのリフトが収まってアンダーステア傾向に変化」した。
これはカナードによって、リアタイヤハウスとリアバンパーダクトから空気を抜くことに成功した結果である。
しかも驚くべきことは「空気抵抗が増えたような感覚が一切ない」ということである
これは私が空力チューンで理想とする「速く走るための空力チューン」そのものである。
「カナード=フロントに付けるもの」という思い込みを捨てて、あらゆる可能性を考え、試してみることの重要性を感じた瞬間であった。
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