ダウンフォースが発生する原理や仕組みは市販車とF1で変わらない理由

出典:F1

 

ダウンフォースによって異次元の走りを魅せる「F1」

F1の異次元の走りを可能にしている要因のひとつに「ダウンフォース」の存在がある。

 

F1の圧倒的なコーナリングスピードは市販車では考えられないような次元にあり、これは圧倒的なダウンフォースがもたらすメカニカルグリップなしでは成しえないものである。

 

そこで今回は、F1の走りを支える「ダウンフォース」について話を進めていきたいと思う。

 

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なぜダウンフォースは発生するのか?

出典:アンダー鈴木

 

ダウンフォースは車体下とウイング類の主な2パターン

F1やレーシングカー、市販車ベースのチューニングカーにおいてダウンフォースを発生させる箇所は主に2種類だと言っても過言ではない。

 

簡単に言うと、車体下を通る空気がもたらすダウンフォースと、フロントやリアの巨大なウイングが生み出すダウンフォースの2通りである。

 

細かいところを見ていけばフロントバンパーに装着されているカナードもダウンフォース獲得には効果的であり、サイドステップによって車体横からの空気の侵入を防ぐことでもダウンフォースを稼ぐことが可能である。

 

「カナード」がフロントのダウンフォース獲得に効果的な理由 

 

ここで理解して欲しいのは車体下とウイング類の2種類がダウンフォース獲得の2大スターであるということである。

 

それ以外はスターの補助的な役回りであるということである。

 

車体下のダウンフォースはベンチュリー効果によるもの

出典:水道ホース

 

車体下のダウンフォースは水道のホースと同じ仕組み

水道の水をホースで遠くに飛ばすにはどうすれば良いだろうか?

 

この問いを受けた人のほぼ100%は「ホースの先を絞るとか狭める」などと答えるはずである。

 

これは誰もが経験のあることだと思うが、実際にホースの先を狭めることによってホースの中を通る水は勢いよく飛び出すのである。

 

これはベルヌーイの定理によるものである。

 

多くの人はベルヌーイの定理がどんなものか知らなくても経験的にホースの先を絞ることで水が遠くまで飛ぶことを知っている。

 

水が勢いよく飛ぶということは、ホースの中を通る水の流速が速くなったことと同じである。

 

つまり、ホースの先を絞ることでその中を通る水の流れる速さをコントロールすることができるということを意味している。

 

車高が低いほどダウンフォースは強力になりやすい

車体下はダウンフォースはこの水道の水を遠くに飛ばすことと全く同じなのである。

 

ベルヌーイの定理によると、ホースの中を通る水の流速が速まることで圧力が下がる効果があるのである。

 

言い換えれば、流速を上げれば上げるほど圧力が下がるということである。

 

つまり、車体下の空気の流速を上げることで車体下の圧力は下がり、結果的に負圧となるため圧力差によってダウンフォースが発生する。

 

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車体下のダウンフォースの発生量は、水道のホースと同じで狭めれば狭めるほど流速が上がり、ダウンフォースは強烈になる。

 

要するに車高を低くするとそれだけでダウンフォースが発生しやすくなるのである。

 

これはベンチュリー効果と呼ばれ、意識的にスポイラーやディフューザーなどで空気の流れを絞ることで、意図的にダウンフォースを発生させることが可能になるのである。

 

本物のフロントディフューザーではベンチュリー効果を狙って意識的にアップスイープ形状を取り入れている。

 

これがパチモノのフロントディフューザーの場合、単なる板が張り付いているだけのなんちゃってディフューザーのものがほとんどである。

 

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流線曲率の定理とコアンダ効果によるダウンフォース

出典:スプーンと水

 

水の流れを変えると力を受ける=ダウンフォース

またしても身近な例で説明するが、ダウンフォースはベルヌーイの定理を基本にしたものの他に、コアンダ効果と呼ばれる流体に特異な特性を生かしたダウンフォースがある。

 

コアンダ効果とは、物体の傍を流れる流体が物体の形に沿って流れる特性を表した効果である。

 

例えば上の画像のように、蛇口から流れる水道の水にスプーンを近づけると水は流れる方向を変え、スプーンの形状に沿うように左側に曲がっていることがわかる。

 

コアンダ効果によって水道水は左に進路変更させられたのである。

 

これをスプーンの側から考えると、水道水を自分の側に曲がらせることで、スプーン自体も右側に吸い寄せられるのである。

 

これは作用反作用の法則そのものであり、壁を蹴ると後ろに跳ね返されるのと全く同じである。

 

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つまり、空気の流れる向きを変えると、空気の流れを変えさせた張本人も作用反作用の法則で真逆の方向に力を受けるのである。

 

これを車に当てはめて考えると、空気の流れる向きをウイングなどで上向きに変えると、空気の流れを変えさせた張本人である車体は下向きの力(ダウンフォース)を作用反作用の法則で受けるのである。

 

これがダウンフォースの2つ目の発生する理由である。

 

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実はダウンフォースが発生する仕組みは市販車もF1も同じ

出典:S2000

 

違うのはダウンフォースの量

ここまで読んできたあなたなら理解できると思うが、ダウンフォースが発生する仕組みは別に難しいことではない。

 

市販車でも車体下とウイングなどで空気の流れをコントロールすることができればダウンフォースを発生させることは難しくないのである。

 

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つまり、市販車とF1でダウンフォースが発生する仕組みなどは同じということである。

 

違うのはダウンフォースの量だけである。

 

市販車はどんなスーパーカーであっても公道を走ることを想定されて作られていることに変わりはない。

 

つまり車体下のダウンフォースやウイング類によるダウンフォースがF1を上回ることは不可能に近い。

 

F1は理論的にはトンネルの天井を逆さまで走れるほどのダウンフォースが発生していると言われており、それと同レベルのダウンフォースを発生させるのは難しい。

 

だが、ダウンフォースが発生する考え方自体は共通であることをあなたに理解してもらいたい。

 

そうすれば自分の車でどうしたらダウンフォースを効率よく発生させることができるかわかるはずである。

 

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