ローマウントな無限リアウイングでS2000のピーキーな挙動を「空力」で抑えろ!

クラッシュで壊してしまったVOLTEX製リアディフューザー

 

クラッシュでリアディフューザーを失った愛車S2000は、一気にピーキーで踏めない車に

初めて参加したサーキット走行会で私は愛車S2000を盛大にクラッシュさせてしまい、ダウンフォースの要として活躍していたリアディフューザーを失った。
「リアディフューザー」の効果はリアのダウンフォース獲得だけじゃない?知られざるリアディフューザーの効果とは?

 

フロントセクションはクラッシュ前のタイプS仕様に復活したのだが、サイドとリアのエアロ達はお財布事情により、復活を断念した。

 

その結果、空力のバランスが狂ってしまい、アクセルの踏めない「オーバーステア」な挙動になってしまった。

 

前回はお金を掛けずにS2000を扱いやすく速くするチューニング!カギは「空力」にあり!によって、リアバンパー穴開け加工を行い、リアの「リフト感」を抑えることに成功した。

 

そこで今回は、今まであえて手を出さなかった「GTウイング」によって、失われたダウンフォースを取り戻してみることにした。

 

S2000をもっと愉しむチューニング

 

サーキットを走るS2000はGTウイングが「標準装備」

初めてサーキットの走行会に一人で参加してみてわかった3つのこと

 

なんと、10台中8台のS2000にGTウイングが装着されていた!(残る2台は私ともう一人の方)

私が初めて参加したサーキット走行会は、S2000で魔王に輝いた実績を持ち、自らも現役GTドライバーであるアルボー柴田さん主催の「アルボードライビングレッスン」である。

 

場所は栃木県にある日光サーキットで、速いS2000なら1周30秒台後半のタイムで走れる「ミニサーキット」である。

 

走行枠は1枠15分の6枠あったのだが、2枠目でクラッシュしてしまった私はやることがなかったので、参加車両を見学していた。

 

すると、あることに気が付いた。

 

それは「ほぼ全てのS2000がGTウイングを装着している」ということである。

 

逆にGTウイングを付けていないのは私ともう一人のS2000しかおらず、高速コーナーでリアが流れてクラッシュした私の心にはあることが引っ掛かっていた。

 

それは「GTウイングを付けていれば、ダウンフォースによってリアが押さえられて流れなかったのではないか?」

 

という疑問である。

 

今振り返ってみると、あの挙動はオイル等の液体に運悪くリアタイヤが乗ってしまい、グリップを失って一気にイン巻きしたのが原因だと思われる。

 

タイヤは溶け出すほどに暖まっていたし、リアが流れる直前ですらわかりやすく限界を教えてくれる「タイヤのスキール音」がしなかったからである。

 

そんな経験もあり、私も愛車S2000に「ウイング」を付けてみたくなったため、候補を選んでみた。

 

立て過ぎ厳禁!「GTウイング」は使い方次第でデチューンになる

 

候補その1 タイプS純正ウイング

出典:S2000タイプS

 

タイプSリップとタイプSウイングの組み合わせはホンダお墨付き!

愛車S2000はフロントがタイプS仕様になっているため、タイプSウイングとの組み合わせは空力バランス的に見て間違いない選択である。

 

ホンダがS2000タイプSとして売り出しているため、オープンにしたときの見た目はもちろんのこと、空力もオープンで走ることも当然考慮された設計になっている。

 

タイプSは歴代S2000の中でも、かなり安定志向(アンダーステア方向)にセッティングされているが、タイプSウイングの影響も大きいと考えられる。

 

単純にタイプSリップのみでオーバーステア傾向の愛車S2000にタイプSウイングを装着すれば、高確率でタイプSの操縦性に近づくだろう。

 

全体の見た目も完全にタイプSになるため、プレミアム感もあるのが魅力的である。

 

純正トランクにポン付けNGで、タイプSトランクと周辺部品が別途必要(20万コース)

そんな魅力的で間違いない選択なのだが、タイプSウイング装着は一筋縄では行かない。

 

タイプSウイングはトランクのセンター付近に取り付けるため、純正トランクにポン付けするとダウンフォースでトランクにクラックが入るのは有名な話である。

 

そのため、タイプSは純正状態でトランクが補強されており、車体とトランク間にあるゴム類もタイプSウイング装着を前提とした設計になっている。

 

つまり、タイプSではない愛車S2000にタイプSウイングを装着するには、タイプS純正トランクやゴム類、トランクのスプリングも合わせて交換する必要がある。

 

タイプSウイング単体なら12万で手に入るが、周辺部品も合わせると20万コースである。(見積済み)

 

しかもウイング固定穴の場所は不明で、自分で情報を集めて穴開け位置を探す必要がある。

 

加えて純正エアロパーツのため、耐久性重視でかなり重量があるのも大きなマイナスである。

 

ピュアスポーツカーにとって、軽さは重視したいポイントである。

 

スポーツカーにとって「軽さ」は命!車重が軽いライトウェイトスポーツの魅力とは?

 

候補その2 VOLTEX製GTウイング

出典:J's RACING

 

空力性能はピカイチで、純正トランクにポン付けOK!

サーキット派のS2000のVOLTEX製GTウイング装着率は異常に高い。

 

タイプSウイングよりもハイマウントでウイング自体も大きいため、確実にリアの安定感をUPさせてくれるだろう。

 

なぜGTウイングは「ハイマウント」で「幅広サイズ」なほどダウンフォースを稼げるのか

 

おまけにVOLTEX製GTウイングは素材がカーボン(ウェットとドライ選択可)であり、タイプSウイングの弱点であった「重さ」もクリアしている。

 

純正トランクにポン付けできるし、センターに装着するタイプは純正トランク補強パネルも付いてくる。

 

納期は3か月くらい平気で掛かるが、コストも10万円台で入手可能でタイプSウイングよりも総額では安く済む。

 

だけどオープンカーには派手すぎる!

性能で考えればVOLTEX製GTウイングで決まりなのだが、高性能ゆえに「派手」なのである。

 

私は愛車S2000を「オープンカー」として乗っており、オープンにしたときの見た目のバランスも重視している。

 

一言で言うと、VOLTEX製GTウイングは「戦闘力が高過ぎる」のである。

 

仮に私がS2000の幌一式を外して、無限ハードトップを付けてサーキットをガンガンに攻めるならVOLTEX製GTウイング一択である。

 

だが、休日にオープンでワインディングをハイペースで走る用途が90%以上の愛車S2000には、VOLTEX製GTウイングは「やり過ぎ」である。

 

オープンカーのスタイルを崩さず、空力性能も軽さも妥協したくない。純正トランクポン付けがいい。

 

そんなわがままな要求に応えてくれるウイングが一つだけあった。

 

オープンカーに似合う空力と軽さに優れたポン付けOKのウイング→無限リアウイング採用!

塗装前の無限リアウイング、可変式でCFRP素材(カーボン地はサイドのみ)

 

純正オプションな雰囲気漂う無限リアウイングは、ローマウントな3D形状のGTウイング

そんなわがままな要求に応えてくれるウイングが存在した。

 

それが今回愛車S2000のウイングに採用した「無限リアウイング」である。

 

新車販売されていた当時、無限から純正オプション的に販売されていたウイングで、素材はCFRP製でとても軽い(重量を計り忘れる凡ミス)。

 

ウイング自体も写真で見ると、平坦な板のように見えるが、現物は3D形状の立派なGTウイングである。

 

CFRP素材だが、カーボン地が露わになっているのはサイドのみで、サイドのカーボン地を残してボディー同色に塗装すれば、かっこよく決まりそうである。

 

お値段は税抜き11.8万円で、タイプSウイング単体と同じくらいのコストである。

 

ステーはアルミ製で、ウイングは可変式でダウンフォースを調整できる仕組み

ステーは鋳造のアルミなのか、表面が梨肌のようになっていてザラザラした触り心地である。

 

無限リアウイングは片側3つのボルトで固定するタイプで、後ろ2つのボルトの固定位置をずらせばシームレスにウイングの角度を変えられる「可変式」である。

 

一般的にダウンフォースが欲しければウイングを立たせればOKで、寝かせればダウンフォースが減るが空気抵抗は抑えられる。

 

速く走るための空力と燃費を良くするための空力は違うというお話

 

無限リアウイング取り付けはトランクに片側1か所穴開けするだけ!

Φ8のドリルで穴を開ければOK!

 

付属の両面テープとボルトで固定するだけの簡単取り付け!

無限リアウイングの優れている点は「取りつけのわかりやすさ」である。

 

無限リアウイングの取り付けは、片側1か所トランクにドリルで穴開けするだけであり、穴開け位置もわかりやすい。

 

上の画像は実際に私がトランクに穴開けしている写真を撮ったものだが、純正トランクには穴開け場所が丸くマーキングされている。

 

マーキングされているど真ん中にドリルで穴開けすればOKなので、非常にわかりやすい。

 

純正オプションのモデューロ製トランクスポイラーの穴位置と全く同じなので、モデューロのトランクスポイラーから無限リアウイングに仕様変更する場合、穴開け不要でポン付けできる。

 

穴開け後は、付属の両面テープと付属のボルトで純正トランクに固定すれば取り付け完了である。

 

ディーラーに取り付けを頼むと工賃2万くらい掛かるらしいが、六角レンチとドリルがあれば誰でも簡単に取り付けできるのも無限リアウイングの優れているところである。

 

個人的には両面テープは取り外しが面倒なので、片側2か所ボルトで固定したいところだが、ちょうどいいところにトランクの裏骨があり難しいのだろう。

 

両面テープのみで固定になるステー前方は、トランクの歪みのためか少しステーが浮いてしまったが、よくあることらしい。

 

無限リアウイングの塗装代はいくら?

サイドはカーボン地を残して塗装!ステッカーは付属品を塗装後に装着!

 

下地処理から塗装までプロにお任せで税込み2万円なり(ステー未塗装)

今回、無限リアウイングをDIYで車体に取り付けし、車ごとホンダボディーサービスセンターに持ち込んで塗装をお願いした。

 

ホンダボディーサービスセンターでは、通常S2000に無限リアウイングを装着する際はアルミステーの梨地をフラットに削り、明るいシルバーに塗装するらしい。

 

だが今回は、両面テープで本固定してしまったため、ステーはそのままで、ウイング本体のみ塗装してもらった。

 

無限リアウイングの説明書通りにサイドのカーボン地を残してボディー同色に塗装してもらい、ステッカーは塗装後に自分で貼りつけた。

 

綺麗な仕上がりで塗装代は税込み2万で仕事をしてもらった。

 

ウイングやスポイラー系は大体これくらいが塗装代の相場らしいので、参考に。

 

S2000にタイプSリップをド素人DIYで装着せよ!装着に必要な部品と手順まとめ!

 

本籍「ストリート」の愛車S2000にも無限リアウイングはよく似合う!

穴開け加工したリアバンパーと無限リアウイングのコンビで、やる気満々仕様に!笑

 

控えめに言って「かなりかっこいい」

これまた痛恨のミスで、オープンにした状態で写真を撮るのを忘れてしまった。

 

S2000から降りるときは、大抵エンジンOFFと一緒に幌も閉めるので、意識しないとオープン状態の写真を撮り忘れてしまう。

 

今回もスマホの写真を漁ってみたものの、残念ながらクローズした状態の写真しか無かった。

 

そんなミスをしてしまったが、改めて無限リアウイングを装着した愛車S2000を見ると「かっこいいな」と思う。

 

お金を掛けずにS2000を扱いやすく速くするチューニング!カギは「空力」にあり!にて大胆にリアバンパーに穴開けしたのだが、無限リアウイング装着によって「レーシー」になった。

 

無限リアウイングの高さもほどほどで、横幅も135cmなのでウイングの主張も抑えられていて、良いバランスなのではないだろうか?

 

前から見ても程よく無限リアウイングが主張していて、とてもかっこいい。

 

サイドのカーボン地と無限ステッカーもワンポイントで好みである。

 

無限リアウイング装着でS2000のピーキーな挙動はどうなった?

GUNMA-17の「デロハチ」とツーショット!

 

スピードレンジが上がるほど、装着前より確実にリアのピーキーさは収まった!

今まで前車S15シルビアに乗っていたときは純正ウイングが最初から付いていたが、後付けでウイングを付けたことはなかったので、どんな感じなのか非常にワクワクである。

 

無限リアウイングの性能を試しにいつものワインディングに向かった。

 

結論から言うと、一番寝かせた状態では無限リアウイングは「控えめな」性能であった。

 

なんとなくリアが落ち着いているような気がするものの、私がウイングに抱いていたダウンフォースよりは小さかった。

 

クラッシュする前まで装着していたVOLTEX製リアディフューザーの方が遥かに車体の張り付き感を感じたのは確かである。
空気抵抗軽減だけがボルテックスジェネレーターじゃない!ボルテックスジェネレーターでリアディフューザーの性能を引き出せ!

 

そこで、可変式である無限リアウイングの角度を変えて「中間」で試してみた。

 

すると何となくリアが落ち着いている状態から、はっきりとリアの安定感を感じることができた。

 

無限リアウイング装着前より加速が悪くなった気がするが、思いのほか無限リアウイングが効いているのかもしれない。

 

無限リアウイングはハイマウントステーや、ガーニーフラップ、トランクスポイラー等でリアの空力バランスをチューニングできるので、今後取り組んでみることにする。

 

S2000をもっと愉しむチューニング

 

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