同時交換推奨のローテンプサーモスタット&スイッチをスイッチのみ交換して効果検証!
ラジエーターのみ冷却チューン済みの愛車S2000
社外ラジエター交換で、ガチ走り時の水温は88〜91℃まできた!
前回S2000冷却系強化!純正→アルミ2層ラジエター交換で水温低下せよ!によって、愛車S2000のラジエターを純正から社外アルミ2層に交換した。
目的はガチ走り時の水温をS2000フルパワーマップの「80〜90℃」に入れることであり、達成できれば冷却系チューニングは完了である。
現状はKOYORADのラジエターTYPE-Mに交換で、ガチ走り時の水温は88〜91℃であり、あと「2℃」水温を下げたい。
ちなみに、S2000純正サーモスタットの全開温度は90℃であり、ガチ走りでは90℃あたりに安定している。
私のチューニングポリシーにより、サーモスタットは「純正」を使用する条件で、どうすれば水温を「2℃」下げることができるのか考えてみた。
ラジエター性能を引き出せば純正サーモスタットのままでも水温は下がる?
黒の放熱塗装で冷却性UPを狙っている
アルミ2層コア厚36mm+放熱塗装のポテンシャルをフルに発揮させるにはどうしたらいい?
愛車S2000のラジエターは、KOYORAD社製ラジエター「TYPE-M」とFlex社の「放熱塗装Ver.3」がコラボしたスペシャルなラジエターを装着した。
ラジエターはエンジンを冷却して熱くなったクーラント液を、走行風によって冷やす「空冷」式の冷却手法である。
つまり、走行風が通過することによって熱交換を行うものであり、「どれだけ空気を通過させられるか」が重要である。
ラジエターに空気を当てまくればOK
やり方は色々考えられるが、私が最初に行ったのはASMラジエタープレートでS2000の冷却系を強化し、水温低下を実現せよ!である。
これは手っ取り早くラジエターを通過せずに上のスペースに逃げようとする空気を、無理やり上から蓋をすることで逃げ道を塞ぐやり方である。
これでも多少の水温低下は見られたが、狙いの水温80〜90℃を超えるため、さらなる改善が必要である。
ということで今回は「別のやり方」でラジエターの性能を引き出してみることにする。
純正より低い水温からファンを回せば「水温低下」できるはず!
弟にメルカリで入手してもらった新品未使用の無限ファンスイッチ(3000円)
強制的にラジエターに空気を通過させるには「ファン」を回す!
ラジエターの性能を引き出すには「とにかく空気を当てまくればOK」である。
ならば、無理やり空気がラジエターを通り抜けるように、「ラジエター裏から空気を吸い込めばいい」と考えられる。
「クーリングファン」を回せば、ラジエター後ろの空間に負圧を作れるため、スムーズにラジエターを空気が通過するはずである。
ちなみに純正サーモスイッチの場合93℃(PIVOTのOBD水温計では100℃あたり)になるとクーリングファンが回るようになっている。
S2000冷却系強化計画!まずはOBDモニターから「水温」をチェックせよ!
つまり、純正サーモスイッチのままだとOBDモニターで80〜90℃に収めたいのに、目標水温より10℃も高い100℃にならないとファンが回らないのである。
これではクーリングファンは「オーバーヒート防止スイッチ」で水温低下に役立たない。
そこで社外の「ローテンプな」サーモスイッチを探してみた。
すると各社から同じものが名前を変えて売られていたが、性能としては純正より13℃低い水温80℃になるとクーリングファンが回るというものだ。
純正サーモスイッチは93℃に7℃足した100℃でファンが回るから、社外のローテンプサーモスイッチなら80℃+7℃の87℃あたりでファンが回る計算である。
これなら、87℃になるとファンが回ってそれ以上水温が上がらず、80〜90℃の水温内にコントロールできるはずである。
そんな期待からモノを探していると、偶然メルカリで無限ファンスイッチが新品未使用で3000円で売られていたので購入した。
Amazon等のネットショッピングで新品を買うと、送料込みで6000円近くになるようだ。
無限ファンスイッチに交換してみた結果、95℃でファンが回る?
愛車S2000に無限ファンスイッチを装着!
クーラント液を抜かないまま、無限ファンスイッチに交換!(笑)
取り付けはジャッキアップ後、エンジン側のアンダーパネルを外し、サーモスイッチに刺さっているカプラーを抜き、24のスパナで緩めれば純正サーモスイッチが外れる。
今回はクーラント液を抜かない状態で横着して無限ファンスイッチに交換するため、純正サーモスイッチを外したら速やかに無限ファンスイッチを装着する。
ちんたらしているとクーラント液がぽたぽた垂れてくるので要注意である。
書き忘れたが、クーラント液が冷えている状態でやらないと熱々のクーラント液が掛かる可能性があるため、冷えるまで待とう。
無限ファンスイッチを装着したら、カプラーとアンダーパネルを元に戻して、垂れた分のクーラント液をサブタンクに補充しておけばOKである。
あれ?「87℃」でファンが回るんじゃなかったのか?
無事装着が完了し、意気揚々とS2000を走らせてみたのだが、何かおかしい。
OBDモニターが87℃になってもクーリングファンが回っている気配がない。
そのまま走らせていると水温は90℃を超え、95℃まで上がった。
「おいおい、全然ファンが回らないじゃないかよ」
と思った瞬間、「ウィーン」とファンが回りだし、水温は一気に90℃まで下がった。
頭が?でいっぱいになったが、どうやら純正-13℃でファンが回るはずが、純正-5℃でファンが回るようだ。
せめて90℃でファンが回ってくれれば良かったのに、95℃で回っても今回の目的からすると「全くもって意味がない」チューニングになってしまった。
今回は「87℃でクーリングファンが回れば水温は87℃以上にならない」と期待したが、見事に思惑は外れたので、なぜ上手く行かなかったのか考えてみた。
なぜファンが回らない?S2000はファンスイッチの信号にCPUが従わない?
無限ファンスイッチは決裁権のない「平社員」でしかなかった
ファンスイッチからの信号が「ON」になっても、CPUが「NO」というS2000
そもそもこのローテンプサーモスイッチ(無限ファンスイッチ)はローテンプサーモスタットと一緒に使用するように書かれていて、単品では効果を発揮できないと書かれている。
私は「チューニング業界がお金儲けのためにそう言っているのだろう」と考え、単品でも上手く行くはずだと思って行動に移したが失敗した。
相談役の青山さん(元ホンダ系整備士)に相談してみると、
「一般的にサーモスイッチがONになるとリレーでファンが回る仕組みだけど、S2000はサーモスイッチがONになってもCPUが水温がまだ低いと判断してファンを回さない仕組みだぞ。」
と教えてくれた。
「平社員が自分の判断でGOと思っても、上司がGOを出さなければ動けないのと一緒か」
なるほど、そういうことかと妙に腑に落ちてしまった。
ということは、CPU(上司)にGOを出させるにはCPUの上司(ドライバー)がGOを出せば、ファンを回すことができるというわけである。
次回は「強制ファンスイッチ」によって自由自在にクーリングファンをぶん回してやることにする。(笑)
そうすれば水温も80〜90℃にコントロールできるだろう!
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