ENDLESS「RacingMONO4」でS2000のフロントブレーキを強化せよ!
愛車S2000にENDLESS「RacingMONO4」を装着!
ブレーキ好きの性
誰も知らないブレーキの話のような記事を書いているように、私はかなり「ブレーキ」が好きである。
好きすぎた結果、大学では「摩擦」の研究をしていたし、今ではブレーキ関係の会社でエンジニアをしている。
そんな私がS2000という最高に走りが愉しい車に乗りつつ、純正ブレーキで満足できるかと言われれば、できるわけがないとなる。
そこで今回は、実際に私のS2000に装着したENDLESS「RacingMONO4」でブレーキを強化しようとしたキッカケや、装着したからこそわかるENDLESS「RacingMONO4」の良さについてお話することにする。
S2000のブレーキを強化しようと思ったキッカケ
前オーナーが装着したスプーンの対向モノブロックキャリパー
「スプーンキャリパー」のフィーリングが気に入らなかった
私が数ある中古S2000の中から購入を決めた理由の一つに「対向キャリパー」がある。
S2000の純正キャリパーは片押しキャリパーで純正キャリパーとしてはスタンダードなものである。
愛車S2000は前オーナーによって、純正キャリパーからスプーンの対向モノブロックキャリパーに交換されており、ブレーキ好きな私はそれに釣られて購入を決めてしまったワケである。(笑)
だがこの対向モノブロックキャリパーが気に入らなかったのである。
どんな感じかと言うと、やたらと初期制動が強い割に、踏み込んでいっても制動力は一定のままで変わらず、
街乗りでよく使うソフトなブレーキと、ガチ走りで使うハードなブレーキ両方にストレスを感じるフィーリングであった。
一言で言うと「めちゃくちゃ扱いにくい」ブレーキだと思ったわけである。
スプーンのキャリパーは定価13万くらいするため、決して安価ではないのだが、正直コスパは良くないと感じた。
もちろん中古車だし、スプーンキャリパーの状態も良くなかったのかもしれないが、不満を感じていたのは確かであった。
これがキッカケになり、私はS2000のブレーキを最高のものにすることにした。
私がブレーキにこだわる理由
鍛造モノブロック対向キャリパーが欲しい!
実は新ロゴ第1号のENDLESS「RacingMONO4」
最高のブレーキに必要なもの
私が考える最高のブレーキに欠かせないものと言えば「鍛造モノブロック対向キャリパー」である。
純正の片押しキャリパーや対向キャリパーは基本的に、鉄を熔解して成形する「鋳造」キャリパーである。
そのため、強度を出すには重くなってしまうのである。
これはアルミホイールなどと同じで、レーシングカーではアルミホイールは鍛造であり、鋳造のアルミホイールは好まれない。
それは鍛造が同じ強度でも鋳造に比べて軽く作れるからである。
また、純正でもアルミ製の対向キャリパーがたまにあるが、大体が2ピース構造になっており、温度が高くなったり、強くブレーキを掛けたりするとキャリパーが「開いてしまう」という現象が起きる。
つまり、対向キャリパーはモノブロックでなければ確実に開いてしまうし、キャリパーの素材も高温で強度が下がらないものでなければ開いてしまうということである。
スプーンキャリパーに足りなかったもの
元々付いていたスプーンキャリパーは「アルミ製鋳造モノブロックキャリパー」である。
R35GT-RやAMGなどで採用されている純正のブレンボキャリパーも「鋳造」である。
ストリートでは問題ないものの、ハードなスポーツ走行ではキャリパーの熱変形は抑制することができず、どうしても開いてしまう。
キャリパーが開いてしまうと、ブレーキパッドを上手く押し付けられなくなり、制動力は落ちてしまう。
さらにキャリパーの剛性がものを言うブレーキタッチも、ストリートではカッチリしていてもサーキットのようなハードブレーキでは頼りないフニャフニャしたブレーキタッチになってしまう。
どの温度でもブレーキタッチが安定してカッチリしていることは、ブレーキングを愉しむうえでは欠かせないものである。
S2000のピュアな走りを高めるためには、ENDLESS「RacingMONO4」は欠かせないアイテムである。
実際にENDLESS「RacingMONO4」を装着して感じたこと
アルボーにて
メリット@本物だけが持つオーラがたまらない
ENDLESS「RacingMONO4」を装着して感じたことは「存在感がすごい」ということである。
ENDLESS「RacingMONO4」自体はねずみ色のような色であり、ブレンボでお馴染みの赤や黄色などの目立つ色ではない。
しかし、ENDLESS「RacingMONO4」を装着すると、只者ではない雰囲気を醸し出してくれる。
本物だけが持つオーラを感じずにはいられないのである。
車体、ホイール、キャリパーとガンメタで目立たないが、ENDLESS「RacingMONO4」のオーラを感じてか、フロントブレーキを覗き込んでしまう車好きは案外多いようである。
妙なドレスアップ目的ではなく、機能を追及していったらこうなったという「機能美」は本物志向の走り好きにはたまらないのではないだろうか?
メリットA誰でもわかる圧倒的な剛性感
ENDLESS「RacingMONO4」に交換してから感じたのは「圧倒的な剛性感」である。
ストリートでもハードに攻め込んで行ってもフィーリングが一切変わらないのである。
巌のようにカッチリとしたブレーキタッチは不変で、純正キャリパーやスプーンキャリパーとは信頼感がまるで別物だと感じた。
また、強烈なブレーキを掛ける際も非常にコントロールしやすい。
通常、強いブレーキを掛けるとキャリパーの変形等で力が逃げてしまうものだが、
ENDLESS「RacingMONO4」はブレーキペダルに掛けた力がそのままダイレクトに伝わっているように感じるほどである。
車検のタイミングや友達などに運転させると、純正とは明らかに異なるブレーキタッチに「ブレーキタッチがカッチリしていていいね!」と言ってくれる。
これには私も思わずニンマリしてしまう。
やはり自分の愛車が褒められると嬉しいものである。
メリットBリニアなフィーリングに病みつき
ENDLESS「RacingMONO4」は、ブレーキ踏力に合わせてリニアに制動力が立ち上がるため、街乗りもとてもナチュラルに行うことができる。
社外のブレーキキットにすると効きすぎると思いきや、ENDLESS「RacingMONO4」は至ってコントローラブルである。
1mmのペダル操作に忠実に仕事してくれる。
社外のブレーキキットだからといって扱いにくさは微塵も感じさせないところも素晴らしいポイントである。
社外ブレーキにありがちな不快な「キー」という鳴きも発生しない点もストリートメインの私には有難いことである。
S2000の故障個所はリア周りに集中?原因はリアブレーキにあった!
デメリット@ブレーキダストは多く、ホイールがすぐ汚れる
ここまで良いところばかり書いてきたが、もちろん悪いところもある。
それはブレーキダストの多さとホイール選びにある。
ENDLESS「RacingMONO4」で選べるブレーキパッドはENDLESS製のみで、TYPE-R、MX72、MX72PLUSの3つから選ぶことになる。
これらのパッドはブレーキダストの多いロースチールやセラミックカーボンメタルのため、どうしてもホイールは汚れがちになる。
特徴的なブレーキローターのスリット「E-スリット」もブレーキダストの点ではマイナス効果である。
私はブレーキ性能の方が大事なので気にならないが、人によっては許せないかもしれない。
デメリットAホイールの選択肢が少なく、ボディ加工やワイド化が必要になる
ENDLESS「RacingMONO4」にした際の最も大きなデメリットは「ホイールの選択肢が少なくなる」ことである。
スプーンキャリパーよりもコンパクトだが、やはり純正の片押しキャリパーよりも大きくなってしまう。
ただでさえ特殊なオフセットによってホイールの選択肢が少ないS2000なのに、ENDLESS「RacingMONO4」を装着するとさらに少なくなってしまう。
かと言って、ENDLESS「RacingMONO4」が入るホイールではツメ折や叩き出し、ワイドフェンダーが必要になる。
実際私が履いているホイールは前オーナーが履いていたSSRのタイプC?で、サイズは17インチの9J+40で255/40R17のタイヤを4本通しで履いている。
ツメ折&叩き出し、最低地上高10cmでフロントキャンバーを2度ちょい付けているが、ハミタイになってしまう。
8J+40くらいのホイールに215/45R17でも車検NGであり、S2000の場合、ワイドフェンダーかオーバーフェンダーを装着することが前提になってしまう。
これは実際に装着するまで想定していなかった問題である。エンケイのPF01は8J+50で装着できるらしいが、車検対応かどうかはグレーである。
なるべくいかにも弄ってます的なワイドフェンダーやオーバーフェンダーは装着したくはないのだが、現実問題としてワイドフェンダーかオーバーフェンダーを装着しなければならないだろう。
イケヤフォーミュラ等の社外アームで内側に引っ込めれば可能になるかもしれないが、これまた構造変更などが必要で改造車検になり、アーム自体も高価である。
S2000にENDLESS「RacingMONO4」を装着することの最も大きなデメリットは、「車検」をクリアするのが間接的に大変になるということであろう。
実際に今一番私が頭を悩ませている問題でもある。
ENDLESS「RacingMONO4」は価値の分かる人にこそ装着して欲しい
出典:ENDLESS
この性能で50万円はバーゲンプライス
ENDLESS「RacingMONO4」のメリット・デメリットについて色々と書いてきたが、私自身ENDLESS「RacingMONO4」を購入して大満足である。
ホイールの件はお金の力で何とかするしかないだろう。
そこは覚悟してからの購入をオススメする。
ENDLESS「RacingMONO4」は約50万円と決して安い買い物ではない。
しかしながら、レーシングカーさながらのブレーキシステムがたったの50万円で手に入ると思えば私にはそんなに高いものでもないと思う。(私の価値観が狂っているかもしれないが(笑))
私のようにブレーキに強いこだわりを持つ人にとっては50万円でも全く高いと思わせない魅力がENDLESS「RacingMONO4」にはある。
ENDLESS「RacingMONO4」と同じくらいの性能を持つブレーキシステムをブレンボやAPレーシングで買おうとしたら、容易く倍以上のプライスが付く。
そこは鍛造キャリパー生みの親ENDLESSの最大の強みなのである。
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