S2000冷却系強化計画!まずはOBDモニターから「水温」をチェックせよ!
愛車S2000
冷却系は純正のまま
私のS2000は吸排気+コンピューター仕様のライトチューンなチューニングカーである。
純正の状態から無限エアクリーナーBOX、アミューズのエキマニ&マフラー&ハイテックロムにチューニングされており、純正から+30〜40馬力程度パワーアップされているようだ。
だがしかし、冷却系は純正のままで発熱量が増えたエンジンの冷却に不安があったのだ。
それに加えて水温もわからず、アクセル全開で走り続けていいのかどうかすらもわからなかった。
そこで今回は、S2000の冷却系を強化するために重要な「水温」を把握することを第一ステップとして、冷却チューンに取り組むことにした。
最も重要な「水温」を把握するために、追加メーターが必要
純正メーターでは正確な「水温」はわからない
純正のメーターに装備されている「水温計」はかなり「アバウト」である。
なぜ正確な水温を情報としてドライバーに与えないのかと言うと、車に詳しくない人が水温100℃を示されたらびっくりしてクレームを言いに来たり、激しく水温が上下したら驚いてしまうだろう。
そんな事情もあり、純正メーターに装備されている「水温計」はスポーツ走行の際は当てにならないのである。
S2000に限って言えば、水温は「80〜90℃」がフルパワーマップである。
つまり、水温が80℃より低くても、90℃より高くてもパワーダウンするようにコンピューターが制御するようになっている。
要はS2000の水温を常に80〜90℃の間で安定するようにすれば、フルパワーで愉しむことができるというわけである。
水温を「OBD」から取るか、後付けで3連メーターを取り付けるか
出典:無限アシストメーター
問題はどうやって水温を取るかということである。
水温がどれくらいなのか分からなければ、この先の冷却チューンの方針が定まらない。
冷却チューンの効果を検討するために「水温計」の設置が不可欠である。
憧れの「3連メーター」は高過ぎて手が出せない!
まず頭に浮かんだのは「3連メーター」である。
「水温・油温・油圧」の3点セットがスポーツカー乗りの憧れでもある。
実際私も3連メーターに憧れており、購入を考えた。
しかし、憧れの3連メーターはかなりハードルが高い。
まずはコストの高さである。
無限3連アシストメーターは導入に軽く10万オーバーの費用が必要になってくる。
それに加えて、水温計、油温計、油圧計を設置するためのセンサーを然るべき位置に取り付けなくてはならない。
さらにそこから配線を車内に引き込んでこなければ3連メーターは機能しない。
これをDIYでやるにはなかなか難しい。少なくとも私には無理である。
ということで憧れの3連メーターは諦めよう。もちろんお金があって、ショップ任せでOKという人は憧れの3連メーターを導入するのが満足度も高くてオススメである。
ECUが制御に使う水温は「OBD」からモニターできる
出典:トラスト製OBDモニター
そこで私が考えたのは「OBD」を使用した水温のモニタリングである。
OBDはディーラーなどで故障診断機を差し込むところである。
このOBDからは実際にECUが制御に使っている情報を取り出すことができる。
水温はもちろんのこと、吸気温度や回転数、バッテリー電圧、外気温、燃費…等々さまざまなデータを取り出すことが可能である。
この機能を利用したものが「OBDモニター」と呼ばれるものである。
このOBDモニターの良い点は「コストの安さ」と「お手軽さ」である。
OBDモニターは専用のモニターにデータを映し出すタイプのものと、スマホやタブレットにBluetoothでデータを送れるものがある。
前者はトラストなどから販売されており、3万くらいで入手できる。
後者はOBDのカプラーのみのため、数千円〜1万程度で入手できる。
3連メーターに比べると、圧倒的にコストが安く(約10分の1)、OBDにカプラーを差し込むだけという超絶易しい車弄りなのである。
つまり工賃0円で、5分もあれば誰でもOBDを利用して、水温を調べることができるというわけである。
今回は、OBDモニターでS2000の水温を調べることにした。
pivotのOBDモニター「WTM-R」をSAで発見し、衝動買い!
絶版品を新品で入手
フラっと立ち寄ったスーパーオートバックスで販売終了品を発見!
S2000の水温はOBDモニターでモニタリングしようと考え、フラっと近所のスーパーオートバックスに立ち寄ってみた。
これは最後にアナログ式のメーターを見て、本当に後悔しないかを試しに行くのが目的であった。
3連メーターに憧れているくらいだから、後からあっちにすれば良かったなどと後悔したくなかったのである。
そうしてDEFIのメーターがディスプレイされているところに目をやると、「pivotのWTM」があった。
確かこれは販売終了していたやつではないか?と思い、ネットで調べてみると、やはり生産終了モデルであることがわかった。
pivotのWTMはOBDモニターの1種で「水温のみ」表示されるデジタル式のOBDモニターである。
私はこれを見つけた瞬間、購入することにした。
今現在流通しているOBDモニターは「多機能モニター」と呼ばれており、水温以外にも様々な情報を、同時に表示させることができる。
しかし、私が知りたいのは「水温」で、なおかつガチ走りしているときの水温の確認に、複雑なメーターでは瞬時に必要な情報が見つけられないと考えた。
その点、pivotのWTMは水温しか表示されないし、アナログ式ではなくデジタルであるため、簡単に今何度なのかを把握することができる。
さらにとびきりコンパクトで、1.3万円と専用モニターがある割に、安いのも購入の決め手であった。
取り付けはカプラーを「OBD」に差し込むだけ!
助手席側のOBDにカプラーON!
誰でも簡単に取り付けられることが「OBD」タイプの魅力
一般的にOBDは運転席にあるものらしい。
だがS2000は助手席の足元にあることが調べてわかった。
そこで探してみると、足元の真ん中寄りに、カプラーを差し込むような差込口を発見した。
それがOBDであり、OBDモニターのカプラーを差し込むだけで完了である。
なんてお手軽なんだろうか。結構面倒だったのは「配線」の配置である。
プロに頼めば目につかないように配線はダッシュボードの中を通すようにして、綺麗にやってくれると思う。
だが私は素人なので、そこまではやらず、あまり目立たないように配線するだけで精一杯であった。
置き場所は視認性や視界の妨げにならないように、運転席の右側にした。
早速、街乗りとスポーツ走行における「水温」をモニターしてみた
運転席側のAピラー付近に設置
基本的に90℃以上を示していた
配線が無事終わり、エンジンを掛けてみた。
エンジンの暖気が終わり、街中を走ってみたところ、「90〜95℃」くらいを行き来していた。
気温は15℃くらいで特別暑いわけでもなかったが、水温が90℃より下にはならなかった。
そのままの足でいつもの峠でスポーツドライビングをしてみた。
山のため平地よりも気温が低く、9℃であった。
そのときの水温は92℃くらいで安定しており、長い下りでエンジンブレーキが掛かっているとき以外で80℃台に下がることは一度もなかった。
つまり、私のS2000は「常にパワーダウン」の状態で走っており、私が吸気温センサー移設でS2000の封印されしパワーを目覚めさせよ!で封印を解除したと思っていた「F20C」はまだフルパワーを発揮していないということであった。
まだ見ぬフルパワーを引き出したくなるのはオーナーの性だろう。
私は愛車S2000に冷却チューンを施し、常にフルパワーで走らせたくなってしまったということである。
さて、これからどんな手段でS2000の水温を下げようか、愉しみである。
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