希少な直6搭載のFRセダン!アルテッツァ(AS200)をS2000乗りがバカ正直に試乗レビュー!
比較対象の愛車S2000はチューニングカーである(S2000をもっと愉しむチューニング)
比較対象は愛車S2000 タイプV(AP1-130系)
私の愛車はS2000である。ワゴンRで通勤する一方、休日はセカンドカーである「S2000」に乗る。
ホンダ50周年記念として開発され、市販車としては異常なまでのこだわりを持って世に出された。
S2000のためだけに専用設計されたシャーシ、エンジン、ミッションなどによって、その走りはかのF1を彷彿とさせるレーシングで官能的なものである。
私にとってS2000は単なるスポーツカーではなく、心の拠り所であり、私の魂である。
そこで今回は、スポーツカーをこよなく愛するS2000乗りの私が、直6エンジンを搭載するFR車「アルテッツァ 」に試乗して感じたことをまとめてみた。
S2000乗りのバカ正直な試乗レビュー!噂のあの車の走りはいかに?
「アルテッツァ(AS200)」のスペックをS2000と比較
ワインディングロードにて試乗させて頂いた「アルテッツァ 」
アルテッツァ(AS200)と愛車S2000のスペックを比較してみた
主要スペック | アルテッツァ(AS200) | 愛車S2000(AP1-130系)タイプV |
---|---|---|
エンジン |
1G-FE (NA)直6 |
F20C (NA)直4 |
排気量 | 1988cc | 1997cc |
馬力 | 160PS / 6200rpm | 250PS / 8300rpm |
トルク | 20.4kg・m / 4400rpm | 22.2kg・m / 7500rpm |
車重 | 1310kg | 1270kg |
駆動方式 | FR | FR |
トランスミッション | 4AT | 6MT |
サスペンション(前/後) | 前後ダブルウィッシュボーン | 前後ダブルウィッシュボーン |
販売当初、ハチロクこと「AE86」の再来として大いにスポーツカーファンを盛り上げた「アルテッツァ」だが、ふたを開けてみればスポーティーな4ドアセダンであった。
車重も1300kg台とAE86に比べると1.5倍近く重く、セダンであったため、アルテッツァに「ライトウェイトスポーツ」を求めたファンは落胆の色を隠せなかったのである。
アルテッツァは大きく分けてRS200とAS200の2グレードがあり、RS200は210馬力の直列4気筒エンジンを搭載したハイパワー版で、AS200は160馬力の直列6気筒搭載のプレミアムセダンである。
普通は多気筒エンジンのAS200の方が上位グレードだと思われるが、アルテッツァの場合は直4のRS200の方が上位グレードである。
今回試乗したアルテッツァはAS200の直6搭載モデル(4AT)であり、MTではないが直6エンジンを愉しめる希少な車である。
果たして直6搭載の「アルテッツァ」の走りはどれほど愉しいものなんだろうか?
実際に試乗して、両者の特徴を比べてみようではないか。
ちなみに今回試乗したアルテッツァは 、ディーラーによる街乗り試乗ではなく、ワインディングロードでの試乗レビューである。
プレミアムセダンVS軽自動車ワゴンR、車内の静粛性対決で勝つのはどっちだ?
スポーツカーのエンジンとして愉しいエンジンはどっち?
アルテッツァのエンジンルーム
愛車S2000のエンジンルーム
直6エンジンは「精密さ」が愉しい
アルテッツァのエンジンは、トヨタの直列6気筒NAエンジン(1G-FE)である。
排気量は2Lであり、愛車S2000と実質同クラスである。
カタログでは160馬力をマークするアルテッツァのエンジンはどれほど愉しいだろうか?
ワインディングロードを走行した感想としては「シルキーシックスと評される直6エンジン特有の緻密で滑らかなフィーリングが何ともたまらない」と感じた。
アルテッツァのパワー感は、同じ2Lで160馬力のS15シルビア(NA)と同等のパワー感で、S2000とは勝負にならない。
だが、絶対的なパワーでは完敗だが、直6エンジンの「フィーリング」は趣のある何とも言えない気持ちよさがあったのは事実である。
荒々しくドラマティックなS2000と緻密な回転フィールが気持ちいい直6アルテッツァ
アルテッツァとS2000のエンジンは、レッドゾーンが6000中盤、9000回転と明らかに設計思想の異なるエンジンである。
S2000のVTECエンジンは、6000回転あたりから上はまるで「レーシングカー」のように、甲高いホンダミュージックを奏でながら、豪快に荒々しく9000回転まで昇り詰めていく感覚である。
それに対してアルテッツァの直6エンジンは、アイドリングからレッドゾーンまで「緻密で奥深いフィーリングのまま」レッドゾーンまでフケ上がっていく。
3000回転くらいまではジェントルでプレミアムな静けさがあるものの、そこからレッドゾーンまでは振動の少ない洗練されたフィーリングで、ある意味「官能的」ですらある。
アイドリング中の振動が異様に少ないのも直6エンジンの特徴だろう。
アルテッツァの直6エンジンは2Lで160馬力と正直全然速くないのだが、妙に気持ちいい。
直6エンジンの持つ「駆け抜ける喜び」に、魅了される人がいるのも納得の「愉しさ」がそこにはあった。
吸気温センサー移設でS2000の封印されしパワーを目覚めさせよ!
コーナリングが愉しいのはどっち?
今回試乗したアルテッツァは「4AT」愛車S2000の内装はめっちゃシンプル
直6アルテッツァは「コーナリングスピード」を競うようなタイプの車ではない
今回試乗したアルテッツァは4ATの直6エンジンを搭載した「プレミアムセダン」であり、S2000のようにコーナリングスピードを競うタイプの車ではない。
ミッションはトルコン式の4速ATであり、パドルシフトもないゲート式はさすがに「時代遅れ感」が否めない。
AS200には6速MTを搭載したグレードがあり、直6エンジンの気持ちよさを存分に味わうには最低でも5ATは欲しいところである。
ただ、直6エンジン搭載のアルテッツァが「単なるオヤジ車」かと言われると、そうではない。
そこには大人のインテリジェントな「スポーツ」があった。
アルテッツァには「駆け抜ける喜び」がある
アルテッツァは、BMWの3シリーズやメルセデスベンツのCクラスをライバルとして生み出されたプレミアムセダンであり、レクサスブランド第一弾の「IS」として売り出されていた車でもある。
ISとはインテリジェントスポーツの略であり、そもそもが目を三角にしてサーキットを攻めるような車ではないのである。
当然、日常領域での快適さはマストであり、そこにワインディングでの「大人なスポーツ」が感じられればOKなのである。
そういった視点から見たアルテッツァは、素晴らしいバランス感覚を持っている。
着座位置もコンパクトカーよりは明らかに低いが、乗り降りがしにくいほどではなく、ステアリングも重めだが、ステアリング操作と車体の動きにミスマッチは感じない。
愛車ワゴンRなどはステアリング操作に対して「遅すぎる動き」だが、愛車S2000ではステアリング操作に遊びが無く、クイックすぎる。
その点、アルテッツァは非常にちょうどいいスポーツさで、ドライバーと同乗者がどちらも快適なドライブを愉しめる「インテリジェントスポーツ」である。
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ブレーキングが愉しいのはどっち?
アルテッツァ:片押しキャリパーだが、ブレーキの効きは十分
愛車S2000:ENDLESSの鍛造モノブロックキャリパー+FD3Sリアブレーキ流用
アルテッツァは兄貴分のブレーキ搭載でブレーキ性能もGood
アルテッツァのブレーキはレクサスISを意識してか、兄貴分のブレーキが奢られている。
そのため、アルテッツァの車格に対してブレーキ性能が勝っており、実際のフィーリングや効きは十分である。
ワインディングロードでの快速ドライブにおいても「不安感」は微塵も感じさせず、気持ちよく走ることができた。
レバーによるシフトダウンに気持ちよさはなかった
残念ながら、アルテッツァの4ATでは「自動ブリッピング機能」はなく、ATレバーでシフトダウンしたときに明らかに「ショック」がある。
そのため、3→2速にシフトダウンしても直6エンジンの「官能的な調べ」は愉しめず、本当にもったいないと思ってしまった。
6速MTであれば、最高に愉しめるだろう。
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結論:アルテッツァは貴重な直6FRセダンのプレミアムな走りを愉しめる車
アルテッツァ
コンパクトな車体で直6搭載のFRセダンの魅力を愉しむにはアルテッツァしかない
絶対的なエンジンパワーはないものの、「直6エンジンの官能的なフィーリング」や「駆け抜ける喜び」を味わえる直6エンジン搭載のアルテッツァは十分愉しい車である。
「もし6速MTで直6エンジン搭載のアルテッツァの走りを愉しめたら…」と妄想してしまうほどにアルテッツァの走りは愉しく、プレミアム感を味わえる。
アルテッツァにもまた、愛車S2000と同じように「この車でなければ味わえない世界がある」のも事実である。
現行車では絶滅危惧種の「NA直6エンジン搭載のコンパクトなFRセダン」。
アルテッツァは愛車S2000とは全く異なる思想のもとに生まれた車だが、同じくらい魅力的な「インテリジェントスポーツ」であった。
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