アクセル操作と燃費の密接な関係とは？ 〜クルコンVS人間クルコン〜
出典：クルーズコントロール（クルコン）
あなたは高速道路での燃費を気にしたことはあるだろうか？
高速道路での便利な機能に「クルーズコントロール」や「オートクルーズ」などのクルコンと呼ばれる自動運転ツールが純正で標準採用されるようになってきている。
クルコンは文字通り、クルーズ（巡航）をコントロール（制御）するシステムである。
私も嫁のホンダ・ヴェゼルで高速に乗るときはいつも使っているが、ワゴンRで燃費を追求するときはクルコンは使わない。
クルコンがないため使わないと言うより使えないという方が正しいが、もし純正で採用されていても使わない。それはなぜだろうか？
クルコンはアクセル操作が雑である
出典：ポルシェ911GT3
雑なアクセル操作
人間の操作で例えると、クルコンはアクセル操作がとても雑なのである。
例えば80km/hで走行中にクルコンを100km/hに設定すると、20km/hのスピード差を埋めるためにクルコンは「一生懸命」加速させるのだ。
この「一生懸命」というのが燃費的に良くないのである。
一生懸命＝急な加速であるため、本来使わなくてもよい燃料を使用し、目的のスピードまで加速する。
もしこれが人間の操作であったら、燃費を悪化させないように緩やかに速度を上げていくはずである。
必要以上にアクセルを踏み込むことは燃費を悪くする最も単純な理由である。
空気の読めない「クルーズコントロール」
出典：忖度
忖度は一切しない「クルコン」
基本的にクルコンは空気が読めない。
正確に言うと、周囲の状況に合わせた適切な減速ができないのである。
クルコンはカメラやレーダーなどと協調して、ぶつからないように自動で速度を調整する機能が盛り込まれている。
これは追突事故を減らすという観点で見れば大変素晴らしい機能であることは間違いない。
実際に衝突防止機能が付いている車はぶつかりにくいため保険料が安くなるのである。
衝突防止機能への信用の証であるが、こと燃費を追求するとなるとあまり思わしくない。
燃料をドブにすてる「鬼畜の所業」
高速道路を運転していればなんとなく前が遅くて車間が詰まるという場面がある。
私のように燃費を追求している人だったら緩やかにアクセルOFFして車間が詰まらないようにするか、車間が詰まる前に抜いてしまうのが普通である。
だが追従型クルコンは違うのである。
車間が設定した距離に縮まるまでアクセルを緩めず、突然「ブレーキ」を掛けて減速するのである。
私はブレーキ関係の開発をしているのでブレーキに関しては詳しいが、ブレーキは「運動エネルギーを熱に交換する装置」である。
つまり、燃料を使って出したスピードを熱として大気中に捨ててしまうのである。
これは燃料を捨てているのと何ら変わりないことであるとわかって頂けるだろうか？
「速度を一定に保つ」というコンセプト自体が間違いでは？
出典：コンセプトカー
速度を一定に保つ＝燃費アップ？
私はクルコンの「速度を一定に保つ」という機能そのものが燃費にとってマイナスなのではないかと思っている。
速度を一定に保つとはどういうことか考えてもらえばわかると思う。
もしも高速道路が真っ平で傾斜のない直線で自分1台しか走っていないとしたら速度を一定に保てるクルコンは最強の燃費向上ツールであることは間違いない事実である。
だがしかし、現実はそんなわけがない。
実際の高速道路は路面のアンジュレーションがあるし、傾斜のアップダウンはあるし、もちろん自分以外に何台も車が走っていて、それぞれがマイペースで走っているのがリアルである。
そのためクルコンの速度を一定に保とうとする機能によって車は忙しくアクセルのON・OFFやブレーキのON・OFFを要求されるわけだし、燃費が良くなるわけがないのである。
「アクセルを一定に保つ」が正解
出典：アクセル操作
正解はアクセル一定＝燃費アップ
今までの記事を読んで頂いた方ならわかると思うが、クルコンを使って燃費が上がったという人は「かなり運転が下手」であるということである。
雑なアクセル操作に、周囲が見えていないためその場しのぎの運転スタイル等々、改善すれば実燃費が上がるのは間違いない。
空力チューンで燃費を上げる以前に、自分の運転レベルをチューンするのが最も効率的でお金が掛からないのである。
アクセル一定で走る＝理想的な高速道路を走るイメージに近い
アクセル一定で走ることは、前に述べたありえない理想的な高速道路に限りなく近いということである。
他車がいてもアクセル一定で走れば他車がいないのと一緒であり、傾斜がアップダウンしていても気にせずアクセル一定で走れば傾斜による燃費悪化を最小限に抑えることが理論上可能である。
つまりこれは真っ平で傾斜のない直線で自分1台しか走っていない理想高速道路とほとんど同じということである。
それだけアクセル一定で走るということは無駄がない走りということであり、燃料を無駄にしないので必然的に燃費も上がるというわけである。
実際に速度一定からアクセル一定を意識するようにしてから燃費が伸びるようになったのは紛れもない事実である。
高速道路で燃費を上げるテクニック「スリップストリーム」を有効活用しよう！
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