インチダウン+低燃費タイヤで転がり抵抗を低減し、燃費UPできるのか?

元々は「社外14インチホイール+ブリヂストン”NEXTRY”(155/65R14)」の組み合わせ

 

純正タイヤサイズは145/80R13+鉄チンホイールの組み合わせ

私の乗っているワゴンRはMH23S型の5速MT車で、NAである。

 

そのため、純正のタイヤサイズは145/80R13の13インチに黒の鉄チンホイールという組み合わせである。

 

だが私がワゴンRを譲り受けたときは、既に社外の14インチホイールにブリヂストンのネクストリー(155/65R14)がインストールされていた。

 

ブリヂストンのネクストリーはブリジストンの「低燃費ベーシックタイヤ」という位置づけで、転がり抵抗係数はAである。

 

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にてワゴンRの燃費性能と車内の快適性の両立を追求している私にとって、

 

「14インチはマイナスに働いているのではないか?」という思いが芽生えていたのは事実である。

 

そこで今回は、14インチ仕様から純正サイズの13インチに「インチダウン」するとともに、低燃費タイヤに履き替えることで、燃費向上と車内の快適性向上の両立を狙うことにした。

 

果たして上手く行くだろうか?

 

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なぜインチダウンすると燃費が上がるのか

出典:ブリジストン

 

回転するタイヤ&ホイールは軽いほど、少ない力で回せる

インチダウンすると軽くなるのは、もはや当たり前のことである。

 

大多数の人はホイールを純正から変えるときにインチアップをするものである。

 

見た目のかっこよさだったり、幅広サイズのタイヤを履くためにインチアップしたりする。

 

そうすると間違いなく、重くなる。

 

なぜなら、ホイール自体が大きくなることで重くなり、タイヤもインチアップで薄くなった分の強度を金属をタイヤに内蔵することで補強するからである。

 

要はインチアップすることで今まで以上に補強しないと強度を保てず、その結果重くなってしまう。

 

タイヤ&ホイールは高速回転するものであり、タイヤ&ホイールの重さはダイレクトに加減速に影響してくる

 

わかりやすい例では、自転車を漕ぎだすときに低いギヤ(1速など)で発進するとあまり力を入れなくてもスルスルと進めるのに対し、重いギヤ(6速など)で発進するときは立ち漕ぎなどで力一杯漕がないと前に進めない。

 

これと同じで、タイヤ&ホイールが重いと発進に大きな力が必要になり、結果的にアクセルを吹かすことで燃費は悪くなる。

 

これは発進のみならず、アクセルを踏んで加速していく場面や、ブレーキを踏んで減速していく場面でも悪影響を及ぼす。

 

だからスポーツカー乗りは高いお金を払って軽量ホイールを手にしているのである。

 

バネ下重量の軽減は、バネ上の軽量化の何倍も効果があるという理由はココにある。

 

下手なアルミホイールより、純正の鉄チンホイールの方が軽量で、精度も高い

 

 

純正の鉄チンホイールをナメることなかれ

大多数の人は鉄チンホイールはダサいとか、重いものと考えて、安い社外アルミホイールに交換するようである。

 

しかし、純正の鉄チンホイールをナメてはいけない。

 

鉄とアルミでは鉄の方が3倍くらい重いが、強度も高いため、かなり薄く作ることができる。

 

安価な社外ホイールを買うくらいなら、純正の鉄チンホイールの方が軽量で真円度も高いため、燃費のことを考えるなら純正の鉄チンホイールの方が優れている。

 

もちろんBBSやレイズなどの鍛造アルミホイールには敵わないが、コスパという面で考えると鉄チンホイールの圧勝である(実際、1本1000円+税で4本買えた)。

 

かっこよさのためにアルミホイールにすることは大いに賛成だが、燃費向上のために安価なアルミホイールを購入することは、「安物買いの銭失い」の典型なので避けた方が良いと思う。

 

純正部品を作っているメーカーのエンジニアだが、純正部品の品質のシビアさは半端ではないのである。

 

低燃費タイヤの燃費性能は「転がり抵抗係数」で決まる

出典:ムーンクラフト

 

転がり抵抗係数が小さいほど、転がりやすい=燃費UP!

これは簡単な話で、低燃費タイヤの転がり抵抗係数が小さいほど燃費は上がる。

 

低燃費タイヤの転がり抵抗係数は「ラベリング制度」によってクラス分けされており、転がり抵抗係数AAAが最も優れた低燃費タイヤで、AA、Aと燃費性能が下がっていく。

 

ちなみに低燃費タイヤは転がり抵抗係数A以上のタイヤのことである。

 

グレードが1つ上がると、燃費は1%向上するらしい

転がり抵抗の係数の変化と燃費の変化の関係性をJC08モードにより実証した、 タイヤ公正取引協議会の実証試験によると、燃費への寄与率は10%(市街地走行で7〜10%)である。

 

転がり抵抗係数がCからAAAに4段階上がると4%燃費が向上するということであった。

 

低燃費タイヤが最も効果的なのは「一定速度」の高速道路上

出典:鶴ヶ島JCT

 

街乗りでは低燃費タイヤの燃費UP効果は大幅ダウンする

実は低燃費タイヤが最もパワーを発揮するのは、一定のスピードでタイヤが転がっている場面である。

 

それはつまるところ、「高速道路」と言っても過言ではない。

 

低燃費タイヤの燃費への寄与率は走行ステージによって異なり、市街地や街乗りなどのストップ&ゴーの多い場面では低燃費タイヤの恩恵は小さく、7〜10%である。

 

それに対して高速道路などの一定のスピードで低燃費タイヤが転がるような場面では20〜25%と、一般道の2〜3.5倍も効果的なのである。

 

私のワゴンRは高速通勤がメインであり、転がり抵抗係数の小さい低燃費タイヤに履き替えることは、燃費の面で大きなメリットがあることは間違いない。

 

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145/80R13の転がり抵抗係数AAAの低燃費タイヤは存在しない

ダンロップのエナセーブEC204をセレクト!(転がり抵抗係数AA)

 

横浜「ブルーアース」かダンロップ「エナセーブ」の2択

残念ながら、純正サイズ145/80R13の13インチでは転がり抵抗係数AAAの低燃費タイヤは存在しなかった。

 

カタログを入手して目を通したところ、横浜「ブルーアース」とダンロップ「エナセーブ」が転がり抵抗係数AAで、実質その2択で選ばなければならなかった。

 

出典:ブリジストン

 

ブルーアースもエナセーブも両方とも転がり抵抗係数AAであり、それだけではどちらが優れた低燃費タイヤなのか判断できない。

 

そこで私は、横浜とダンロップに問い合わせて、転がり抵抗係数の「値」について調べてみた。

 

しかし、どちらのメーカーも転がり抵抗係数の値を教えてくれることはなかった。

 

「企業秘密だから公表できません」という回答なら仕方ないが、
「145/80R13は実験していないのでわからない」などと大ウソを回答するメーカーもあった。

 

もし本当にそうならどうやって転がり抵抗係数AAとわかったんだろうか?(笑)

 

転がり抵抗係数AAでも6.6〜7.7まであり、6.6と7.7では転がり抵抗係数が15%も違うので結構な差になってしまうが、今回は仕方ない。

 

設計が新しいダンロップのエナセーブEC204に決めた。

 

同じ転がり抵抗係数AAでも新しい方がきっと転がり抵抗係数の値が小さいと期待して選んだ。
(ちなみにブルーアースAE-01は2010年、エナセーブEC204は2018年販売開始)

 

インチダウン+低燃費タイヤは燃費向上に効果があったのか?

黒い鉄チンホイールがスパルタンでかっこいい!(笑)

 

転がり過ぎて、ブレーキを強く踏まないと止まらないレベル!

社外14インチホイール+ブリヂストン”NEXTRY”(155/65R14)」の組み合わせから、純正鉄チンホイール13インチ+ダンロップ”エナセーブEC204”(145/80R13)の組み合わせに変更した。

 

その結果、2km/Lくらい燃費が向上した。(転がり抵抗係数はAからAAに1グレードUP)

 

乗れば明らかにわかる「スムーズさ」であり、少ないアクセル開度でドンドン転がっていくのがよくわかる。

 

私の乗っているワゴンRは軽でNAでMTなので、この辺の違いは手に取るようにわかる。

 

これはめちゃめちゃ気持ちいい!

 

低燃費タイヤに変えて最も違いが分かったのは、「赤信号で止まるとき」である。

 

赤信号で止まるときはあらかじめアクセルOFFで、惰性で転がっていき、ブレーキで止まる。

 

ブレーキをいつもの踏み具合で踏んだら、全然スピードが落ちないので慌てて踏力を強めたほどである。

 

予想外によく転がるもんだから、いつもより強いブレーキを掛けなければ止まらなくなってしまった。(笑)

 

それくらい、低燃費タイヤの転がり抵抗低減効果は大きいということであろう。

 

高速メインの人にはかなりオススメである。

 

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