自作の断熱シートをボンネットに装着することでエンジンルームを保温し、燃費向上と静音化を実現せよ!

出典:エーモン静音計画

 

プリウスなどのハイブリッドカーでは定番の冬対策

プリウスやアクアに代表されるハイブリッドカーは冬場の燃費対策として、「エンジンルームの保温」がメジャーなチューニングとして広まっている。

 

なぜエンジンルームの保温をしなければならないのかというと、単純にハイブリッドカーは普通のエンジン車と比べてエンジンが止まっている時間が長い。

 

例えば信号待ちや長い下り坂などの場合である。

 

このときハイブリッドカーはエンジンを停止することで積極的にガソリンを使用しないような制御になっている。

 

つまり、エンジンルームが冷えてしまうのである。

 

エンジンルームが冷えるとどうなるのか?

エンジン停止や暖房の使用などによって、エンジンの熱がどんどん放出されていってしまう。

 

すると冷えてしまったエンジンを暖めようとしてエンジンONの状態になってしまう。

 

これではせっかくガソリンを使わないようにして燃費を稼ぐハイブリッドカーの利点が台無しになってしまう。

 

それを防ごうとプリウスオーナーなどは冬場にラジエーターやグリルを塞ぎ、なおかつボンネット裏に断熱シート等でエンジンルームの熱を逃がさないような工夫をしているのである。

 

なぜ冬になると燃費が悪くなるのか

 

 

 

普通のエンジン車であるワゴンRでも効果があるのではないか?

グリル塞ぎの効果は愛車ワゴンRで検証済み!

 

ハイブリッドカーでなくてもグリル塞ぎの効果はあった

実はグリル塞ぎの効果は愛車のワゴンRで検証済み(冬対策!秘技「グリル塞ぎ」で空気抵抗を減らし、吸気温度を上げよ!)で、約5%ほど燃費向上効果があった。

 

さすがにエンジン車のためラジエーター前を塞ぐのはリスクが高過ぎるので行わなかったが、エアクリーナーから吸気する前をアルミテープで塞いだのである。

 

こうすることで、エンジンは冬場の冷えた空気を吸い込むことができず、ラジエーターを通過した後の暖かい空気を吸い込むことになる。

 

これが私の狙いである。

 

冷えた空気ではガソリンは気化しにくい

冬場に燃費が悪くなる原因の一つが、ガソリンが冷えた空気によって気化しにくくなることである。

 

エンジンは気化したガソリンと空気を混ぜ合わせたものを爆発させて、前に進む動力源としている。

 

だが冬場になると空気は冷やされ、空気の圧力は高くなってしまう。

 

するとガソリンを気化させようとしても夏場ほど上手く気化せず、ガソリンが無駄に濃くなってしまう。

 

事実、エンジン車である私のワゴンRは猛暑(35℃オーバー)になるほど燃費が良くなっているのである。

 

空力チューンで実燃費30km/Lを超えろ!

 

エンジンルームを保温し、疑似的に吸気温度を夏場に近づけると燃費UP?

清々しいほどのコストカットで、剥き出しのボンネット(笑)

 

改善の余地あり!

試しにボンネットを開けてみたところ、ボンネット裏には何もなく、鉄板が剥き出しになっていた。

 

さすがスズキの軽自動車代表であるワゴンRだけにコストカットも抜かりはない。

 

高級車などではボンネット裏にフェルト生地のようなものが何枚も敷いてあったりするものだが、軽自動車であるワゴンRにはそんな装備はもちろん存在しない。

 

存在しないなら付ければ良いじゃないか!と私は思ったのである。

 

プレミアムセダンVS軽自動車ワゴンR、車内の静粛性対決で勝つのはどっちだ?

 

アウトドア用のレジャーシートが断熱シートとして使えるのでは?

研究室の同期だった奴が引っ越し前に譲ってくれたレジャーシート。まさかこんなところで使うとは(笑)

 

自宅の物置を物色していると、ちょうどいいものを発見!

ボンネット裏の断熱シートはエーモン静音計画などで市販されている。

 

だがどれも2000〜3000円くらいするためコストの問題から自作・DIYでワンオフの断熱シートを作ることにした。

 

その方がただ市販品を買って付けるだけよりも遥かに面白いと思ったのも理由である。

 

ワゴンRを「エアロツアラー」に進化させよ!

 

そんな感じで自宅の物置を物色していると、良い感じのものが目に入った。

 

それが上の写真にあるレジャーシートである。

 

このレジャーシートは3層で構成されており、上からアルミ箔、発泡スチロール的なもの、プラスチックのフィルムの3層である。

 

市販品もアルミと断熱材としてフェルト生地みたいなもので構成されているため、このレジャーシートでも断熱シートの役目が務まると考えた。

 

実際、地面からの熱を伝えないようになっているのでボンネット裏の断熱シートとして申し分ないだろうという判断である。

 

ボンネットを外して型取りからスタート!

作業性を考え、ボンネットを車体から外した

 

レジャーシート2折分を適当にカットして、アルミテープでぐるぐる巻きにすればOK!(笑)

そんなくらいの軽い気持ちで自作してみた。

 

使ったアルミテープは私がアルミテープチューンに使っている20m巻きの非導電性アルミテープである。

 

20mもあると残量を気にしないで使えるから精神衛生上おすすめである。

 

アルミテープチューンに導電性アルミテープは必要ない?粘着剤に導電性がなくても良い理由

 

いきなり完成図!

意外と良い感じかも?(笑)

 

なんだかんだで両面アルミテープで覆いつくしてしまった

アルミテープの使用量も伊達ではなく、レジャーシートの剛性感はなかなかである。

 

これを両面テープでくっつけて完成である。

 

と書くといかにも簡単そうだと思われるかもしれないが、この断熱シートを作るのはなかなか面倒くさい作業であった。

 

断熱シートの縁をどのレベルでアルミテープで覆うかにもよるが、私はクソ真面目にチマチマとやったので途中から「市販品を買った方が良かったかもしれない」と思ったほどである。

 

軽く2時間くらいは工数を使ってしまった。

 

ただ、出来上がると妙な達成感にニンマリとしてしまったのも事実である。

 

これも車遊びの醍醐味なのかもしれない。
S2000をもっと愉しむチューニング

 

エンジンルームの「常夏化」計画は成功したのか?

市販品と遜色ない仕上がりに満足!

 

10℃近く気温が低下したにも関わらず、暖気時間が約1分も短縮!

断熱シートを装着する前は、早朝の気温でも10℃弱と比較的暖かい状態であったが、断熱シートを装着してから突然寒波が襲来したためグッと気温が下がり、気温は一気に0℃付近まで冷え込んだ。

 

そんな状況にも関わらず、断熱シート装着後はエンジンの暖気に掛かる時間がなんと約1分も短縮されていた。

 

エンジンを付けたらすぐに出発するため、暖気時間の短縮はとてもありがたい。

 

めちゃめちゃ寒いときに暖房が1分早く効き出す有難みは筆舌に尽くしがたい。

 

気温が急降下しても燃費は同水準をキープ!

気温が5℃低下すると燃費が1km/L下がるなどと言われているMH23S型ワゴンRのエンジンだが、10℃近く気温が下がったにも関わらず、わずか1.5km/Lほどの燃費低下に留まっている。

 

これは暖気時間の短縮による影響もあるかと思われるが、実は高速での効果が高かったのである。

 

私は普段の通勤で10分くらい走った後、約30分高速を巡航し、15分くらい下道を走る通勤ルートを走っている。

 

断熱シートの効果をより強く体感できたのは高速を走り始めてから10分後くらいである。

 

そのころになるとエンジンルーム全体がしっかりと暖まり、暖房の効きも心なしかいつもより暖かい風が出てくる。

 

さらに車載の瞬間燃費計を見ていると明らかに断熱シート装着後の方が瞬間燃費の値は良い数字を示していた。

 

実際、いくつかの場所をチェックポイントとして平均燃費の目安として見ているが、断熱シートを装着後の方が高速道路上での平均燃費の伸び具合は良い傾向にあった。

 

高速後の下道での平均燃費の低下も緩やかになっているのが見受けられた。
街乗り燃費UPに欠かせない「アクセルOFF」のタイミングとは?

 

おまけにエンジンルームの「静音化」もできた

エーモンの断熱シートは「静音計画」という商品群にあるが、自作の断熱シートでも静音の効果ははっきりと体感できた。

 

断熱シート装着前は11〜12くらいで聴いていた音楽が、断熱シート装着後はボリュームを10にしても十分聞こえるようになったのである。

 

「エーモン静音計画B」ロードノイズ低減マットは効果なし?軽自動車で効果を試してみた

 

ボンネット裏の断熱シート装着はメリットばっかり!

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燃費も静粛性もUP!

暖気時間が短縮されて快適になり、燃費の面でも良い結果が得られた。

 

そのうえ音楽も聴きやすくなるなど、一石三鳥のチューニングであった。

 

これはハイブリッドカーだけでなく、純粋なエンジン車に対してもおすすめできる内容なので、まだ試していないのならあなたも試してみてはいかがだろうか?

 

空力チューンで実燃費30km/Lを超えろ!

 

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